〈あらすじ〉

 まもなく40歳になるウェン・シャン(フー・ゴー)は、北京郊外の共同住宅で不思議な同居人・シャオイン(ウー・レイ)と暮らしている。脚本家の夢を諦め、現在は弔辞の代筆業で生計を立てているが、両親には本当のことを言い出せず、もう何年も帰郷していない。

 このままでいいのかと思い悩むウェンだが、丁寧な取材による弔辞が評判を呼び、次々と依頼が舞い込む。父親との交流が少なかった男性や、余命宣告を受けた婦人、ネットで知り合った顔も知らない声優仲間を探す女性など。様々な境遇の依頼主との交流から、ウェンに変化が訪れる。

〈解説〉

 挫折した主人公が弔辞の代筆を通じ、自分を見つめ直すヒューマンドラマ。『オクスハイドⅡ』から14年ぶりの、リウ・ジアイン監督・脚本作。119分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆若さ故の気負いと迷い。「人の世の煙と火」。たんたんとした展開だが、画面に清潔感があり、引き込まれた。上映時間も妥当。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆複数の人生を通して限りある命を炙り出そうとしたようだが、渋滞の隠蔽が眼につく。囁く芝居も生硬で、興をそがれる。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆誰もが残された時間を生きていると静かに感じる。他者なのか自分なのか、想いが溢れて孤独の気持ち良さに包まれた。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆曇り空の下を歩くような自問自答の内省と、他者の話を聞く行為が物語の創作論として絡まる。品のあるトーン&マナー。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆弔辞文筆業というちょっと変わった生業の主人公の人間模様をゆっくり覗く。特別な事はないが価値ある旅をした気分。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
©Beijing Benchmark Pictures Co.,Ltd
配給:ミモザフィルムズ
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4月25日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
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