「プロを舐めるな」

 大谷翔平がケガをすると、必ずこういう声が噴き出てくる。

 二刀流のせいだ。

 もう、そろそろいいんじゃないのか。

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 どっちかに絞ればいいのに。

 今に始まった話ではない。

©鈴木七絵/文藝春秋

 前例のないことに遭遇すると、人はつい既成の枠に当てはめて考えようとしてしまう。大谷がプロの世界で二刀流に挑戦しようとしたとき、ほとんどすべての野球人は異を唱えた。なぜなら、プロの世界でピッチャーとしてもバッターとしてもトップレベルを目指すなんて話は聞いたことがなかったからだ。そして、こう続ける。

 どっちも中途半端になる。

 ケガをするぞ。

 プロを舐めるな。