追加料金を支払い、自分の体をより詳しく知ることができる健康診断の「オプション検査」。その中には、医師の視点で見るとオススメできないものもあるという。総合診療医の伊藤大介氏が解説する。
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アレルギー検査と言っても、いろいろあるが……
アレルギー検査と言っても、いろいろな種類がありますが、代表的なものとしては、血液検査で「特異的IgE抗体」を測るような保険診療でも認められた検査や、自費のみで行われる「遅発型食物アレルギー検査(IgG抗体検査)」などがあります。
遅発型食物アレルギー検査とは、血液中の食物に対するIgG抗体量を調べ、さまざまな食品に対して免疫反応があるかどうかを調べるものです。120種類あるいは219種類の食物アレルギーを調べることができます。
牛肉、白米、小麦、果物、野菜、魚などのメジャーな食べ物はもちろんのこと、シナモンやバジルなどのハーブ系、緑茶や製パン用の酵母であるイーストといったものに至るまで対象範囲も幅広い。
例えば、みなさんの中で「ある食べ物を口にしたら気持ち悪くなったり、下痢をしたりする」「特定の食事をした時に口の中がピリピリしてかゆくなる」という経験をした方もいるでしょう。当院でもよく患者さんからこのようなアレルギーと思える症状を相談されます。
さらに、それらの患者さんの多くが「他にどんな食事でアレルギー反応が出るのか知りたい」と言います。原因を特定したい気持ちもよく分かりますし、それにこたえる検査こそが「遅発型食物アレルギー検査」です。