ミュージックアワードでは新人賞を総なめ

 パン氏は統括プロデューサーとして、グループ名だけでなくグループの世界観をも考案し、デビューミニアルバムではタイトル曲「FEARLESS」を含む2曲を自ら作詞作曲するという気合いの入りようだった。

 IZ*ONEで活躍した咲良とチェウォンは既に世界的なファンを多数抱えていた。そこに、パン氏自らがプロデュースを手掛け、「BTSの妹分」という話題性まで加えたLE SSERAFIMは、デビューするやいなや大きな注目を集めた。

 デビューミニアルバムは初動売上(=発売1週間の売上)が30万枚を超え、K-POPガールズグループのデビューアルバム歴代初動記録を塗り替え、リード曲の「FEARLESS」は韓国の地上波3社の音楽放送で1位を占める“トリプルクラウン”を達成し、年末の各種ミュージックアワードでは新人賞を総なめにした。デビューと同時にK-POP界を揺るがすほどの存在感を発揮したのだ。

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「FEARLESS」を披露するLE SSERAFIM ©時事通信社

大舞台でのパフォーマンスに厳しい評価

 デビュー2年目の2023年には初のフルアルバム『UNFORGIVEN』で初動売上枚数は125万8000枚という大記録を達成。米国のビルボードの総合アルバムチャートで、総合首位、「ビルボード200チャート」6位、「日本ビルボード」1位を記録するなど、国外での知名度も上げていった。

 だが、2024年4月、米国最大の音楽フェスティバル「Coachella(コーチェラ)」への出演は、彼女たちに思いがけない試練をもたらすこととなる。

米時間の2024年4月20日、「コーチェラ」のステージに立つLE SSERAFIM ©時事通信社

 YouTubeにアップされたライブ映像のコメント欄や韓国のインターネット・コミュニティには「息は切れるし、声は震えるし、音程も不安定だ」「事務所は準備もできていない子達を送り出した」「このグループはK-POP全体に迷惑をかけている」などと厳しい評価が並んだ。韓国のネットユーザー中心として、LE SSERAFIMのパフォーマンスに対する批判が相次いだのだ。

 この時、LE SSERAFIMがこれほど厳しく批判された背景には、K-POP特有のある理由があった。

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 この記事の後編では、LE SSERAFIMが直面したさらなる“試練”や韓国での評価を一変させた出来事についても触れている。

次の記事に続く 「日本人がレベルを下げている」宮脇咲良(27)に辛辣な声も…LE SSERAFIMの韓国での評価が一変した出来事とは?《現地記者が解説》

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