K-POPガールズグループのLE SSERAFIM(ル セラフィム)がきょう5月2日、デビュー3周年を迎えた。この4月からは初のワールドツアーも開催。「EASY CRAZY HOT」と名付けられたこのツアーは、韓国の仁川(インチョン)を皮切りに、5月からは名古屋、大阪、北九州、埼玉と日本の4都市を巡り、その後アジア各地と北米へ進出する予定である。

LE SSERAFIM。(左から)ホ・ユンジン、キム・チェウォン、カズハ、サクラ(宮脇咲良)、ホン・ウンチェ ©時事通信社

ワールドツアーは好調な滑り出し

 韓国メディアは仁川公演について、「安定した歌唱力とパワフルなパフォーマンスを完全に消化し、以前の不名誉を洗い流した」(スポーツ傾向)、「ここ1年間、メンバーたちの実力も、チームの成績も上がり、ワールドツアーを始める基盤を作ってきた」(朝鮮日報)、「LE SSERAFIMのことをまともに見ようともせず、全部知っているかのように非難を浴びせた人々にこのコンサートを勧める」(NEWSIS)などの賛辞を送っている。「LE SSERAFIMは実力不足」というデビュー当時からあった批判に反論するかのような、好調な滑り出しを見せているのだ。

 そもそもLE SSERAFIMは、韓国の芸能事務所「HYBE」の議長(=会長)でのパン・シヒョク氏“肝いり”のガールズグループとして、2022年のデビュー時から大きな注目を集めてきた。一方で、デビューからのこの3年を振り返ってみれば、決して平坦な道ではなかったと言えるだろう。

ADVERTISEMENT

韓国ポップカルチャーの祭典「KCON 2022 JAPAN」に登場したLE SSERAFIM ©時事通信社

ガールズグループに否定的だったワケ

 パン氏とは世界的な人気を誇るグループ「BTS」を育てた人物でもあり、敏腕プロデューサーとしても知られる。だが、ガールズグループのプロデュースには否定的な態度を見せていた。それは、かつて心血を注いで作ったガールズグループが、散々な形で幕を下ろした経験からだ。

 パン氏が2012年に誕生させたガールズグループ「GLAM(グラム)」は、HYBEの前身の事務所「Big Hit エンターテインメント」に所属する唯一のガールズグループだった。デビュー前のBTSがバックダンサーを務め、BTSのリーダーであるRMはデビュー曲の制作に参加している。だが、会社の全面的なバックアップがあったにもかかわらず、GLAMはなかなか人気を得られなかった。

2012年にデビューしたGLAM

 決定的な出来事が起きたのは2014年のことだった。GLAMのメンバー・ダヒが韓流スターのイ・ビョンホンと飲み会をした際にその様子を盗撮。「わいせつな会話をした映像をネットに流す」などと脅し、50億ウォン(約5億円)を要求するという“事件”が発生したのだ。