きょう5月2日にデビュー3周年を迎えた、5人組ガールズグループのLE SSERAFIM。2022年に、「IZ*ONEの人気メンバーが中心」「BTSの妹分」として華々しくデビューしたが、これまでいくつもの“試練”に直面してきた。
今や世界中から注目を集める彼女たちの軌跡を、韓国在住のジャーナリスト・金敬哲氏が振り返る。(全2回の2回目/最初から読む)
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“夢の舞台”でのパフォーマンスが、大きな物議を醸す
その年の最もホットなアーティストが出演するとされる米最大の音楽フェスティバル「Coachella」。これは、K-POPシーンでも“夢の舞台”として知られている。「コーチェラに招待されること」=「名実共に世界的なアーティストとして認められる」という意味で受け入れられるためだ。
2024年4月、LE SSERAFIMはデビュー2年足らずでこの夢の舞台に招待され、「K-POPアーティストの中でデビュー最短で出演」という記録を立てた。しかし、コーチェラでのLE SSERAFIMのパフォーマンスは、韓国国内で大きな物議を醸してしまう。「『デビューから最短での出演』という大義名分のために、準備もできていない状態で出演した」などと、激しく非難されたのだ。
LE SSERAFIMの最大の魅力といえば、「力強く美しい」「情熱的な」パフォーマンスだろう。楽曲もパワフルなものが多いため、40分間ずっとステージに立ち続け、激しい歌唱とダンスを続けるコーチェラの舞台では、時々音が揺れてしまった。
韓国で歌唱力が厳しく批判された
すると、YouTubeで公演を見ていたK-POPファンを中心に、LE SSERAFIMの歌唱力を問題視する声が上がり始めた。芸能ニュース専門のネットメディアでは、「治療が必要な音痴のステージ」(スポーツ東亜)、「下手なライブで実力がバレてしまった」(My Daily)、「惨事に近いライブだった」(Joy News24)など酷評の嵐だった。
このとき、メンバーのサクラ(宮脇咲良)は、殺到する批判の声に意気消沈しているであろうファンを慮ってか、ファン向けのプラットフォーム「Weverse」に日本語で長文のコメントを掲載。「誰かの目には、未熟かもしれない。でも誰にとっても完璧な人なんていなくて、私たちが見せてきたステージの中で、最高のステージだったことは、揺るぎない事実です」と心境を打ち明けた。