ミステリアスでクールなルックスで話題の霧華さん(24)。最近出演している「こねこフィルム」でも好評な彼女だが、俳優やモデル業を始めるまでは、バセドウ病による眼球突出などで手術を複数回受けるなど、苦難の道のりがあった。

 そんな霧華さんに、キャリアのきっかけから闘病時のことなどを聞いた。(全3回の1回目/2回目に続く)

女優の霧華さん(24) ©鈴木七絵/文藝春秋

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「完全に周りから浮いてしまう大きさになってました」中3で身長179cmまで成長

――霧華さんは身長180cmだそうですが、小さい時から背が高い方だった?

霧華さん(以降、霧華) 小学校6年生の時160cmで、まだちょっと大きめくらいな身長でした。でも、中3の卒業時には179cmになっていて、完全に周りから浮いてしまう大きさになってましたね。

――学生時代、高身長で苦労したことは?

霧華 一番は洋服ですね。今でこそユニセックスでサイズ展開豊富なファストブランドが増えてますけど、当時はレディースのトールサイズというと、ニッセンにお世話になってました。

 学生の頃は友だちとショッピングモールに行ってもサイズがないので服はほとんど見ず、小物ばかり見てました。

――ジャストサイズの洋服を着られると嬉しかった?

霧華 嬉しかったです。「袖長い!」みたいな、小さな喜びというか(笑)。基本なんでも七分丈になってしまうので、何より寒いし、苦労しました。

――高身長ゆえに言われがちな言葉はありましたか。

霧華 「バレーとかバスケやってるの?」はあいさつのように言われますね。学生の時の得意科目は美術だったんですけど、「美術が好き」って言うと、大抵、「もったいないね」って言われるんです。

 

「せめて175cmになってますように」と願い事を書いたことも…

――高身長を活かさないなんてもったいない、という意味で。

霧華 そうです。気持ちはわかるのですが、あまりにも言われることが多いので、「絵を描いている私はダメなんだ」って、自分を否定されたような気持ちになってしまって。

 なので一時期、枕元に「起きたらせめて175cmになってますように」って願い事を書いた紙を置いて寝てました。もちろん、全然縮まなかったんですけどね。掃除中の母にそれを発見されて、「なんかごめん……」と謝られた事があります(笑)。

――背が伸びない方向の努力をしていたんですね。

霧華 中学時代はあんまり気にしてなかったんですけど、高校はちょっとギャルっぽいかわいい子たちがキラキラ生活しているような環境だったんです。

 そんな中、行事とかで皆で写真ってなると、自分が一緒に写るのが申し訳ない気がしてきちゃって。集合写真ではあえて前列に座り込んで写ったり、友達と写真を撮るときは「私が撮るよ!」って進んで撮影役になっていました。腕が長いから、スマホで自撮りするときに広い範囲を写せるんです。