「食べすぎたら吐いちゃう」自分の身長を肯定するためモデルを始めたが…
――そんな中、高校生の時にモデル事務所に入ったそうですが、きっかけは。
霧華 もともと小さい時から芸能界に興味があったんです。でも、いろいろな事情があって、なかなか始められなくて。
高校に入学した当初はバレー部に入っていましたが、途中で学校まで往復3時間かかる場所に引っ越すことになり、心に余裕が無くなって、辞めざるを得なくなったんですよね。
その後、高校3年生の時また引っ越すことになり、東京が近くなったのでモデルスクールに通うようになりました。
結局、バレー部もモデルも、自分の身長を肯定するために始めたことだったんです。
――「背が高いのにもったいない」と言われてきたから?
霧華 いろんな人に会う度に、「身長高いね、モデルやらないの?」「バレー部じゃないの?」って言われ続けてきて、モデルかスポーツをしないと自分には価値がないんだ、と思うようになっていて。
それでモデルスクールに入ったら今度は「ダイエットして」と言われて、54kgまで落としたんです。
――180cmで54kgって、かなり細いですよね。
霧華 大前提として、180cmの女性の平均体重は70kgなんです。当時の私は64kgだったのですが、半年で10kgダイエットしました。
でも、当時は知識もなかったからひたすら食べないダイエットに走ってしまい、拒食症に近い感じになってしまって。食べすぎたら反省して吐いちゃうとか、過食嘔吐をしてました。
身体がガリガリになって、吐き気がするほどの体調不良に
――体調にも影響があった?
霧華 身体がガリガリになって、そのうち、ウォーキングレッスンで吐き気がするようになったんです。あまりにひどいから、もしかして私、体が拒絶するほど実はモデルが嫌なのかな、って思っちゃって。
――モデル業に対する拒否反応じゃないかと。
霧華 そうなんです。バレーもダメ、モデルもダメならもう何もできないじゃん、結局自分を肯定できないんだって、闇墜ちしました。
どんどん体調も悪くなっていって、体育の授業でもひどい貧血みたいな感じで立ってられなくなってきて。コンビニでバイトもしてたんですけど、数十分立っているだけで吐き気に襲われるから、バイトも辞めざるを得ず。
――それは急激な体重減少からくる体調不良だったのでしょうか。
霧華 病院に行っても全然わからなくて。拒食症とも診断されませんでしたし、本当に謎の病でした。結局、モデルも辞めて太りはじめたんですけど、すると今度はどんどん顔も変わっていって。
最初は太ったせいだと思ったんですけど、後にそれはバセドウ病の症状だったとわかるんです。
撮影=鈴木七絵/文藝春秋

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