「突出している右目の方を隠そうとしちゃう」それでもバセドウ病を公表した理由

――「こねこフィルム」では様々なキャラクターで出演されていますよね。

霧華 動画へのコメントで、「この人AIかと思った」っていう声がけっこうあって。嫌な気はしなかったですね。

――「AIキャラ」は霧華さんにとって褒め言葉?

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霧華 自分の目指す方向としては、男とか女とかを超越した、“日本の作品”くらいな感じになれたらいいなって思ってて。めちゃくちゃ大袈裟に言ってますけど(笑)。

――今も眼球突出が気になるというお話もありましたが、メディアに出る怖さはなかったですか。

霧華 まだ怖いです。やっぱりどうしても突出している右目の方を隠そうとしちゃうんですよね。

 それこそ昔、「右目だけ殴られたみたい」ってコメントに書かれたことがあったんです。たしかに当時はまぶたが下がっていた時期でした。そういう指摘もあり、公表したら自分の表現も解放されるかなと思って、バセドウ病のことを明かしたんです。

 

――病気を公表したことで気持ちは楽になった?

霧華 少しだけ楽になりました。

 それでも、今もカメラマンさんには、「できれば左側から撮ってもらっていいですか」って毎回お願いしちゃう自分がいます。

「右目がそもそも動きにくい」「左目に比べてうまく開けない」

――演技をする時も右目が気になったり?

霧華 何回も手術しちゃってるんで、そもそも動きにくくて。左目に比べてうまく開けないんです。

 目力を褒めていただくことが多いんですけど、現状だと右目がうまく扱いきれないので、これを個性と受け入れるべきか手術して改善するべきか、悩んでます。

「自分を大事にすることが大切」って皆に伝えたいのに、右目を隠してしまう自分もいて、「やっぱり自分はまだ甘ちゃんだな」と思います(笑)。

 

――では最後に、今後の目標もお聞かせください。

霧華 今はとにかくいろんな役に挑戦したいですし、夢や目標もたくさん持っています。

 今は海外の方のフォロワーも多いということもあり、特にNetflixなどの全世界ネットに出ることを大きな目標にしてます。

 そしてバセドウ病への理解も、もっと進んだらいいなと思っていて。自覚のない方も多いと思うので、不調を感じたら病院で血液検査を受けてほしいです。

――モデルや俳優として活躍するようになってから、高身長への受け止め方も変わった?

霧華 これまでは「バレー部じゃないの? モデルじゃないの?」って言われ続けてきたので、身長を個性として捉えられる様になった今は、生きやすくなりました。

 見た目で苦労してきた自分としては、容姿を悲観する前に、今の自分を好きになれるよう、どうか自分を大切にしてほしいと、いろんな人に伝えたいです。

 

撮影=鈴木七絵/文藝春秋

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