休暇シーズンの下道は“罠”だらけ
ただ、どちらにせよ似たような速度しか出せないのなら、わざわざお金を払って高速に乗りつづける意味は薄いかもしれない。下道なら景色の変化もあるし、コンビニや道の駅といった施設にも立ち寄りやすい。
しかし注意したいのは、「降りた先が必ずしも快適な道であるとは限らない」という点だ。とくにゴールデンウィークともなれば、インター出口や観光地周辺の下道も大規模な混雑に見舞われる。
普段ならスムーズに進むはずの県道が、大型ショッピングモールや観光施設の大行列で詰まっていた……といったケースも、行楽シーズンにはありがちな話である。
通行量の比較的少ない山道などは、迂回路として役立つこともあるだろう。しかし、実際には道を一本間違えるだけでかなりのタイムロスになったり、離合のたびにヒヤヒヤするような狭い道を案内されたりと、思わぬ苦労が生じることもある。
とくに夜間や悪天候時は、判断ミスや操作ミスが起きやすく、疲労やストレスが事故リスクにも直結する。不慣れな道を長いこと進みつづけるのは、思いのほか神経を使うものなのだ。
「歩いた方が早いレベル」のときは…
このように、到着時刻や安全上のリスクを考えると、高速が渋滞しているからといって闇雲に下道に降りてしまうのは望ましくない。
それでも下道へ降りるべきケースがあるとすれば、「事故による車線規制」といったイレギュラーが生じている状況である。
渋滞の7割は車両集中を原因とする「自然渋滞」だが、不測の事態に起因する「事故渋滞」の場合には、しばしば通行帯が塞がれてしまうことがある。事故直後のタイミングにかち合ってしまうと、ほとんど車列が動かず、「歩いた方が早い」と思えるような状況も少なくない。
もちろんこうした場合でも、「進まないから降りる」のではなく、なるべく情報を集めてから判断するようにしたい。道路情報板やハイウェイラジオ、スマホを使える同乗者がいればNEXCOの「iHighway」などを活用し、前方の混雑状況や事故処理の進行具合をこまめに確認するとよいだろう。
