事前に「下道に降りる可能性」を考えておく

 もうひとつ、下道に降りる選択が功を奏するとしたら、周辺に興味を惹かれる施設などがある場合である。到着時刻をあまり気にせず、寄り道ができる状況であれば、気分転換に下道に降りてみるのも大いにアリだろう。

 本来の目的地よりも、そうして偶然立ち寄ったスポットの方がかえって思い出に残る、というのも珍しい話ではない。

 ただ理想を言えば、渋滞が発生しそうな地点については、あらかじめ「降りる場合に立ち寄りたいスポット」をリストアップしておくと安心である。

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柔軟かつ冷静な判断が旅を充実させる

 以上のように、まず「渋滞している高速と一般道ではどちらが早いか」という疑問に対しては、データから見た傾向として「高速の方が早い」と答えることができる。ただし、事故による車線規制などの特殊ケースでは、下道の方が早くなるケースもあるだろう。

 もちろん旅行や帰省で重要なのは、効率や合理性ばかりではない。下道に降りてみなければ触れることのなかった光景や体験もあるかもしれない。

 重要なのは、「なんとなく」で降りないことだ。降りた先の混雑状況に、経路の複雑さ、運転者の疲労など、複数の要素を見越しつつ、冷静に判断することが大切である。

次の記事に続く 〈名神高速で154kmの渋滞〉普段は10分の道が、5時間かけてもたどり着かない…“日本史上最悪の渋滞”はなぜ起きた?