高速道路の渋滞中、進まぬ車列に苛立つなか、ふと頭をよぎる「下道に降りた方が早いのでは?」という発想。次のインターまでの距離を見やりつつ、迷った経験がある人も多いだろう。
だが実際のところ、「高速を降りた方が早く着ける」というケースはどのくらい現実的なのだろう。ここでは、渋滞時の高速道路と一般道の平均車速を比較しながら、「下道の方が早い説」を検証していく。
渋滞中の高速道路、実際どのくらい進んでいる?
2025年のゴールデンウィーク期間中、「もっともひどい渋滞」はどの程度だろうか。NEXCOの予想では、5月3日および4日に、中央道下りの相模湖IC付近で最大45kmの渋滞が生じるとされ、両日とも通過には135分を要する見込みとなっている。
「45km」「135分」という数字だけで気が滅入りそうになるが、平均車速にしてみると20km/hは出ている計算だ。
もちろん、高速道路という「速さ」を前提としたインフラにおいて、平均20km/hというのは遅すぎるように感じられる。しかし数字だけを見てみると、これは東京都の23区外の一般道を非混雑時に走る速度(20.5km/h)と同等であることがわかる。
つまり「ひどい渋滞でも、一般道程度には進んでいる」というわけである。さらに、これは決して特殊なケースではなく、むしろ多くの渋滞に当てはまる傾向のようだ。
たとえば5月2日には、東名下りの秦野中井ICで最大40kmの渋滞が発生し、通過に100分を要する予測が示されている。これは平均車速にして24km/hであり、神奈川県の一般道を非混雑時に走る速度(23.4km/h)とほぼ同等だ。
もちろん東京湾アクアラインや神戸淡路鳴門道など、ほとんど迂回路が存在しないルートでは、平均車速が15km/hを下回り、都市部の通勤時間帯の一般道と変わらないようなペースになることもある。
とはいえ基本的には、かなり長い渋滞にハマってしまったとしても、「そのエリアの一般道程度には進めている」と考えてよいだろう。
