記事を事前に確認したときは仮定の話だったが…
――当該記事では鹿乃さんの「実際のところ、著作者の中にも二次創作を愛している人はたくさんいる。白黒はっきりさせるべきで、それによって二次創作が全面禁止になるのであれば、その時はまた必ず議論が起こります」との言葉が批判を呼びました。しかしその後、記事の内容が修正されました。何があったのですか。
鹿乃 私が記事を確認して「これでお願いします」といった最終稿から変えられて、載せられてしまったんです。
私が確認した時点では「もし白黒はっきりさせた場合は」という仮定の話だったのですが、公開された記事では「白黒はっきりさせるべきで」と白黒はっきりさせた方がいいと私が主張している形になっていたんです。
その記事を見て怒った人が、私の過去のXから類する投稿を取り上げ、それが批判を浴びています。2月6日のサブアカウントの投稿です。
「『キャラをお借りする』という言葉が、生理的に嫌い」への誤解
――「『キャラをお借りする』という言葉が、生理的に嫌い」という投稿ですね。その一部だけを見ると、原作者の立場を考えていないように思われてしまいます。
鹿乃 あの「キャラをお借りする」という言葉そのものが文字通り嫌いであって、二次創作者は原作者をリスペクトしなければいけないという関係が生理的に嫌いということではないんですよ。そこの誤解がまず解けたらいいなと思っています。
もともとキャラや作品への敬意って見たらわかるし、あえて口にしなくてもいいと個人的には考えているんです。ですが、先ほどお話しした、私のデマを流したようなコスプレイヤーほど「キャラをお借りする」という言葉をあえて多用する印象があります。
そういうところから「キャラをお借りする」という言葉自体に悪い印象がこびりついてしまった結果、ああいう言い方になってしまいました。
ただその当該投稿にも「原作者の気持ちを侵害しちゃいけないのは前提」と記載があり、侵害の意図は全くありません。「どちらも尊い」「対等にコラボできたら」という補足投稿もしましたが、これにも「一次創作と二次創作が対等だ」という意図はないんです。
一方で、私はコミケやコスプレ文化そのものは大好きで、二次創作が一次創作の人気を支える存在としてもっと認められたらなと考えていますし、新規参入者も安心して活動できる環境も作れたらいいのに、と思っています。そういう人が癪に障るというのもわかるんですけど。
今回改めて思ったのが、日本人は自分のことを好きとか、素敵って褒めることをすごく悪いことだと思うんだなと。私の自己肯定感や自尊心が垣間見える投稿には、特に酷い誹謗中傷コメントがついた印象があります。
