コミュニティバスのルート把握が困難

 リスクもある。

 そもそもどのルートを、どの時刻に走るか、そしてどの公共交通機関に接続するのかを把握するのが難しい。

 市町村のHPに時刻表や路線図を掲載する自治体が増えたが、謎解きのようにして考えなければならないことが多い。仁淀川町のコミュニティバスは、2方向に走る路線バスを基軸にして、10路線が枝のように分かれて運行している。平成大合併前の旧3町村ごとに路線のまとまりがあり、道路事情から愛媛県に入って戻るような路線も設定している。よそ者が理解するのはひと苦労だ。

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 運行日も限定されている場合が多いので、気をつけておかなければならない。

ダイヤ改正にも神経を使う必要

 せめて、ルートやダイヤを分かりやすくできないのか。仁淀川町役場の担当職員に尋ねると、「町域の面積が広くて333平方kmもあるので、あらゆる地区にバスを走らせると複雑になってしまうのです。ただ、もう少し分かりやすくできないか、工夫したいと考えています」と話していた。

「ダイヤ改正にも注意が必要です」と齊藤主幹は指摘する。

「大崎」。路線バスを下りると、仁淀川町の「町民バス」が待っていた。危うく乗りそうになる

 県がHPで紹介した中津渓谷への旅は2024年12月時点のデータだ。その後の2025年3月15日、JRがダイヤを改正した。これに連動してバス時刻表も変わった。その他にもバス独自でダイヤを変更することもある。これら細かく変わるダイヤを全て拾い、内容をその都度更新して、HPを作り直せるか。1本逃すと目的地に行けなかったり、帰って来られなくなったりする場合があるので記載には神経を使わなければならない。そのようなリスクを避けるため、県は時刻を明記しない動画を中心にPRしている。担当課の職員2人がモデルになって撮影した。

 だが、前述した通りコミュニティバスはルートやダイヤ、接続を読み解くのが難しい。県が乗り継ぎ時刻まで紹介してくれるので行けるという側面もあるだろう。動画によるルート紹介だけだと簡単に行ってこられるかどうか。