「バカバカ貸していましたからね。」

 地面師事件の報酬とは関係がないと主張する。だが、その一方でカミンスカスは、積水ハウスとの仮契約後に浅草のフィリピンパブなどで一晩200万~300万円の大盤振る舞いをする姿が目撃されている。「文藝春秋」6月号では、カミンスカスの逮捕前に上記タワマンを買い取った不動産業者・長嶋実氏が次のような証言を寄せている。

「小山(カミンスカス)は僕にも『俺は1億円しかもらっていない』と言っていましたが、それは嘘だと思います。(中略)若い取り巻きにも頼られ、『いくら欲しいんだ?』と言って、3000万円とか5000万円とか、バカバカ貸していましたからね。彼らの話をトータルすると、小山は7億円から8億円くらい持っていたんじゃないかな」

ちょっと調子に乗って…

 紹介手数料として受け取った1億円について、カミンスカスは18通目の手紙で、積水ハウス事件で主犯の一人として懲役11年の実刑判決を受けた土井淑雄に3000万円、地面師グループの一員として逮捕された三木勝博氏(不起訴)に4000万円を貸し付けたと主張。事件直後の豪遊ぶりについては、〈もう1億円受け取る予定だったので、ちょっと調子に乗って遊んでしまいました〉と綴り、手紙をこう結んでいる。

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〈文藝春秋6月号 森さんが私をどう見たのか楽しみに待ってます〉

文藝春秋」6月号(5月10日発売)、及び月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」に掲載された「地面師 獄中からの告発 騙し取った55億円の行方」では、カミンスカスが有明のマンションに5億円を運び込んだ疑惑や、事件発覚後、地面師たちが神奈川県の名門ゴルフ場「大箱根カントリークラブ」に集まり、地主のなりすまし役である羽毛田正美を逃亡させる謀議をめぐらしたことなどについても詳報している。

文藝春秋

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騙し取った55億円の行方 地面師 獄中からの告発[後編]
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出典元

文藝春秋

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