現地へ到着するとすでに海岸はお祭り会場

 20時、大きな駐車場が隣接した海岸へ到着。すでにほとんど駐車スペースは埋まっており、間一髪で車を停めることができた。県外ナンバーも散見されるほど富山県民にとどまらない活況ぶりがうかがえる。

富山湾に到着

 本来であれば日付が変わる時間帯に湧き始めるとされているが、既に準備を終えて海岸へ向かう人もちらほら。唐突に始まった椅子取りゲームに焦りが込み上げる。足早にウェーダー(水に浸かるための胸元まである防水着)を履き、ライトと網を持って開催されるか不明瞭なお祭り会場へと向かった。

 現場へ到着すると網を構えてホタルイカの接岸を待つ人々で賑わう。

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まだホタルイカより人の方が多いようだ(ホタルイカを手にする瞬間まであと写真2枚…)

 陽が沈んだ後、富山湾には信じられないほどの爆光で海を照射する歩く灯台のような猛者から、まだまだ冬の日本海に短パンとサンダルで挑むエブリデイサマーな人まで……各々がその時が来るのを待ちわびている。

 波打ち際を歩いていると、いきなりホタルイカを発見した。もう湧いているのかと思ったがなにやら様子がおかしい…。すでに絶命しており、辺りはほのかに腐敗臭が漂う。どうやら昨晩接岸したホタルイカがそのまま浜に残されているようだ。たくさん湧いた日には珍しい光景ではないそうだ。鮮度的に釣り餌にも使えそうにないので海の掃除屋さんに託すことにした。

これもまた富山湾の風物詩なのだろうか…(ホタルイカを手にする瞬間まであと写真1枚…)

 初参戦の私はとりあえず立ち位置を決めて膝まで海に浸かり、身投げの始まりを待った。23時が過ぎるころ、辺りを見渡すとヘッドライトで海面を照らす群衆によって、浜はまるで身投げの最盛期を迎えたかのような光景が広がっていた。