1ページ目から読む
2/2ページ目

――しかし、どうしても捨てられない人っていますよね。

「私もそうでしたが、捨てられない人、ため込み癖のある人というのは、共通する『思考の罠』があるのです。その一つが、“便利・効率的”だと言われるとついつい、それを買ったり利用したりしがちなこと。もう一つが、ちょこちょこ逐次的に処理するよりも、まとめてやるほうが効率的だと思って、ためて処理しがちなこと。そして、“サンク・コスト”(すでに払ってもう戻ってこないお金)に縛られてしまうことです」

――はい、とても思い当ります。

ADVERTISEMENT

「まずは、その思考がロジカルではない、間違っているということを、理解することが大事です。そして、自分がいかにズボラで身体を動かしていないか、汚部屋に住んでいることで損をしているかなどを“見える化”し、そして、まずはどこかの片付けをやってみて、気持ちがすっきりしたり、無駄な時間が減ったりという『報酬』を得れば、どんどん片付けをやりたくなるのです」

――8割のモノを捨てられた勝間さんが残されたモノが気になります。

「断捨離をすると、自分が何を使っていて何は使わないのかが、見えてきます。靴は、結局同じブランドのものや、型番のものしか履かないことに気づき、10足を残して全部処分。洋服は、コーディネート不要でカジュアルにもフォーマルにも使用できるワンピースの出番がいちばん多いと分かり、スーツなどはほぼ処分しました」

よく履く靴は決まったブランドや型であることに気づきそれを中心に10足程度のみ残した
衣類は、コーディネート不要でカジュアルにもフォーマルにも使い勝手がよい、黒系のワンピースを中心に残し、スーツなどはすべて捨てた

――リバウンドしない秘訣はなんですか?

「いろいろありますが、一番は、逐次処理を徹底することですね。ゴミを捨てるのでも、洗濯でも、皿洗いでも、後でまとめてやろうとするから大変になります。とにかくたまる前にやるということです。そのための助けとなるのが、同時並行処理を可能にする、家電類です。たとえば、掃除はルンバとブラーバがちょこちょこやってくれたり、調理はマイコン電気鍋やビストロ、ヘルシオなどでほっとくだけ調理をしてくれたりするわけです」

――断捨離して一番変わったことはなんですか?

「やはり、部屋がきれいになると動くことが億劫でなくなり、こまめに家事などしてカロリー消費量が増えたのか、ジムなどを退会したにも関わらず、痩せ続けていることですね。これは、台所が片付いて、調理が億劫でなくなり、自炊が増えたことも関係していると思います」

――本当に、ほっそりとされて、若々しくなられた感じがしますね。

「ツイッターなどでエゴサーチをしていても、テレビなどで見て雰囲気が変わったと感じられている方が多いようです。たぶん、家がきれいになると、自分に自信がついて、なんとなく雰囲気が変わるんじゃないでしょうか。家に人も呼べるようになったので、社交的にもなりました」

――そして、なんと恋人までgetされたとか!

「はい、本書の本文を書いている時にはまだ現れておらず、最後の最後、あとがきを書く頃になって、現れた人で……。家に友達を招いて、パーティをすることが多くなったのですが、ある友達が連れてきた30代の方です。それまでの私なら、そもそも人を招くこともないし、男性にデートに誘われても自信がないので断っていました。それがこんなことになるなんて! 大げさでなく、私は、この片付けを通じて、後半の人生を取り戻せた気がしています。ぜひ、皆さんも騙されたと思ってやってみてください」

2週間で人生を取り戻す! 勝間式汚部屋脱出プログラム

勝間 和代(著)

文藝春秋
2016年4月27日 発売

購入する