人生はロールプレイングゲーム「全部自分の経験値になる」
かねてより中川は人生をロールプレイングゲーム(RPG)にたとえ、《些細な楽しいことも悲しいことも、全部自分の経験値になると思うと、楽しくてしょうがない》などと語ってきた(『anan』2011年2月16日号)。たしかにどん底に落ち込むたび、そのあとには必ず新たなステージへと上がってきた彼女の半生を見れば、年齢を重ねることがそのままレベルアップにつながっていることはあきらかだ。
マニアには結構ありがちなことだが、中川はこれまでメジャーなものにはあまり関心が向かなかった。それも最近になって、興味がなかったり、やってこなかったものほど、これから知ることができる余地があると思い直すようになったらしい。昨年にはこんなことを語っている。
《最近では、世の中で「絶対に面白い」と言われているものの、自分がこれまで通ってこなかったものに興味があります。いまさらながら『名探偵コナン』の映画を見始めたり、初代ガンダムを見てみたり。おかげで40~50代のおじさまと会話するのが楽しくなりました。/ただ未体験なものに挑戦するのって、時間と気持ちに余裕がないと難しいですね。最近では好きなゲームをするのにも気合が必要な年齢になってきました》(『週刊現代』2024年9月14・21日号)
「私が好きになるもの、全部父が好きだったものなんです」
そんな中川が20代から公言しながら、ずっと叶えられずにきた夢の一つに「子孫を残す」がある。それは両親への思いから来るものであった。
父でミュージシャンだった中川勝彦については、当記事の#1で記したように、亡くなったのち中学時代に一度は心が離れていたが、その後、2006年の日本テレビの『24時間テレビ』で、生前の父の姿や、彼女が捨てたのを母がこっそり拾って残しておいてくれたバースデーカードの映像が流されるのを見て、感謝の気持ちを抱くようになったという。《私が好きになるもの、猫や宇宙、深海もアニメも特撮も、全部父が好きだったものなんです。やっぱり“血”ですよね。「この血を絶やしてはいけない」って思うのですが、こればかりはなかなか難しいです(笑)》(『週刊朝日』2018年6月22日号)とは7年前の発言だ。
母とも休日には一緒に買い物をしたり、同じ服を着たりと、友達のような関係を続けてきた。そもそもジャッキー・チェンの魅力を教えてくれたのも母である。そんな母との関係も念頭にあってか、《私が感じているおもしろいことを、フレッシュな興奮のまま伝えられる自分ジュニアがいたら、どれだけ世界は広がるだろうって思う》とも、かつて語っていた(『anan』2011年2月16日号)。
それだけに、このたび懐妊を発表し、子供と出会うことを誰より楽しみにしているのは中川自身だろう。いまはただ無事に赤ちゃんが生まれて来ることを祈るばかりだ。
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