今年度の日本アカデミー賞の授賞式が3月14日に行われ、最優秀主演女優賞に河合優実が選ばれた。昨年(2024年)公開の受賞作『あんのこと』で、河合演じる主人公の少女・杏は、虐待され続けてきた母親から逃れて自活を始めるのだが、ようやく落ち着いたかと思われたところ、コロナ禍などにより再び窮地に陥ってしまう。そんなある日、隣りに住む女性から突然、幼い子供を強引に預けられ、物語は急展開する。
女性の行動は無責任とはいえ、彼女にもそうせざるを得なかった事情があり、最後には、子供の面倒を懸命に見てくれた杏への感謝も口にした。出番自体は少ないものの、作品終盤の展開の鍵を握り、ひときわ強い印象を残すこの女性を演じたのが早見あかりである。実生活では子育て中とあって、劇中でも自然な感じで子供と接していた。
中2の頃に「ももクロ」に加入し、キャリアをスタート
早見あかりはきょう3月17日、30歳の誕生日を迎えた。現在、俳優として活躍する彼女だが、よく知られるように、もともとはアイドルグループ・ももいろクローバー(ももクロ、現・ももいろクローバーZ)のメンバーとしてキャリアをスタートさせている。
ももクロに入ったのは中学2年生のとき、グループ結成から半年後の2008年11月のことだ。早見はその前年にスカウトされてスターダストプロモーションに所属し、レッスンで芝居をする楽しみに目覚めたところだった。ももクロはその後、結成時からのメンバーである高城れに・玉井詩織・百田夏菜子と、早見と同期の佐々木彩夏、さらに2009年には有安杏果(のち2018年に卒業)を迎えて6人体制でインディーズレーベルからCDを初めてリリースする。
ももクロは代々木公園での路上ライブに始まり、インディーズデビュー前後にはCDのレーベルの親会社だったヤマダ電機の全国の店舗を回ってツアーを行うなど、ライブを中心に地道な活動を続けながらファンを獲得してきた。そして2010年、シングル「行くぜっ!怪盗少女」で結成3年目にしてメジャーデビューを果たすと、その年のクリスマスイブには東京・日本青年館で初の単独ホールコンサートを成功裏に終えた。