衝撃の「お腹ダルダル写真」
――小阪さんが太っていく姿を見て、その女性は褒めてくれるんですか?
小阪 褒めてくれます。でも「よくやったね、よかったね!」って褒めた後に、「話題になりたいんでしょ、だったらもっと太りなさい」ってさらに発破をかけられる。ゴールはないんです。
――ライブで撮影されたお腹ダルダルの写真は衝撃でした。
小阪 ああいう写真になるようにスタイリングしたのも、その女性なんです。お腹を丸出しにしたほうが太って見えるからって、スカートはウエスト部分をわざわざ折って。
――当時、太っていく自分をどう思っていたんですか。
小阪 “洗脳”されている間は自分の心は存在しないので、“無”ですね。鏡に映る自分を見ても、「これは誰?」と他人事。でも、ずっと死にたい、死にたいって叫んでいた気がします。
――先ほど、「自傷行為があった」と。
小阪 最後の本能が残っていて、“やりたくない!”という叫びが、自傷行為につながっていたのかなと今では思います。「もう死にたい、死にたい、死にたい!」って言いながら、1時間以上、血がダラダラ出るまで頭皮を引っ掻き続けていました。
――よくその状態から抜け出せましたね。大変だったかと思います。
小阪 “洗脳”されながらも、死にたくならないようにどうにかしなきゃっていう意識がどこかにあったんですよね。死にたいと思うことから逃げたかったんです。
当時「死にたい」と言っていたのは、何かに踊らされている自分を本能が否定するための言葉だったんだと今では思います。本当にこの世から自分の存在を消したいわけじゃなくて、自分がイヤな自分を消したいという。
――「死んじゃいたい」という気持ちを自覚していたんですね。
小阪 強く自覚していました。だから、「死にたくなったら読む」みたいな本を読み漁って、自分なりにあがきましたね。……その時に、初めて「自尊心」とか「自己肯定」といった言葉を知ったんです。
◆◆◆
【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】
▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

