――ハッキリ道筋を示してくれる人が欲しかったんですね。

小阪 まさにそうです。あと、これは“洗脳あるある”なんですけど、相談者の周囲から“洗脳に都合の悪い”人を排除していくんです。私の場合も、「あの子と会わない方がいい」とか、「この人は会った方がいい」とか、人間関係がジャッジされていきました。

――人間関係が誘導されるんですか?

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小阪 判断能力を失っているので、「この人だったらいいよ」と勧めてくれるのは楽だったんですけど、そうしたら、会っているところを週刊誌に撮られて。

©山元茂樹/文藝春秋

バターのせカツカレー生活で25キロ増「ある意味、自傷行為」

――でも、小阪さんをコントロールしようとしてきた人にとっては、何がメリットだったんですかね?

小阪 私も、その人は何がしたかったかずっとわからなくて。ただ長年かけてたどり着いた答えとしては、シンプルに、他人が見た目でチヤホヤされているのが嫌だったんだと思います。

――自分のメリットというよりも他人を落としたい、みたいな。

小阪 そうそう! だって、私はお金をとられたり、何かを買わされたことはないんですよ。そんなことより太らされたし、暴言を言うように仕向けられて。

――小阪さんの評価を下げる方向に?

小阪 グラドル時代、体重は50キロなかったのに、半年で75キロぐらいにまで太らされて、腰はガタガタ、肌もボロボロ。負荷のかかりすぎで、身体は悲鳴を上げていました。

――太りなさいと言われて、「わかりました」って感じだったんですか?

小阪 そうですね。やることを明示してほしいから、素直に従うんです。しかもグラドル時代、食については我慢が当たり前だったから、「何でも好きなだけ食べていい」と言われると、最初は嬉しいんです。とはいえ、それは5キロ増ぐらいまでで、あとは苦行でした。別に元々が大食いではないので……。

©山元茂樹/文藝春秋

――ちなみにどうやって半年で25キロ増やしたんですか。

小阪 とにかく食べまくるだけなんですけど、胃もそんなにすぐには大きくなってくれない。“量より質”で勝負という発想になってからは、カツカレーにバターをのせたものばかり食べてました。バターは液状になるから、少ない量でカロリーをたくさん摂取できると思ったんです。

 けど、その後吐くこともしょっちゅう。吐きたいわけじゃないんですよ。キャパオーバーで、戻してしまうんです。でも、吐いたら太れないから、吐いては食べて、食べては吐いて……。

 肌も荒れに荒れて、痛くて痒くて。でも無意識のうちの“グラドル魂”で、目に見える肌には傷をつけたくないから、血が出るほど頭を掻きむしっていました。ある意味、自傷行為だったと思います。