ここはどこ? ラブホテル? まさか…ベッドから目が覚めると、横にいたのはなんと既婚者の上司。記憶はなく、連れ込まれたのか、自分が誘ったのか。それすらも分からない。いったい20代女性に何があったのか? ノンフィクションライターの諸岡宏樹氏の著書『実録 性犯罪ファイル 猟奇事件編』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。なおプライバシー保護の観点から本稿の登場人物はすべて仮名である。(全2回の1回目/続きを読む)
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目覚めると隣にいたのは会社の上司…
20代後半の会社員であるA子さんは、目覚めると隣に職場の上司の曽根崎和夫(当時34)が寝ていたので仰天した。
(ここはどこ? ラブホテル? まさか…)
昨日は曽根崎と飲んだ。だが、店を出て歩いているところから記憶がない。自分の服装を確認すると、ズボンと短めのコートを着ていた。
「うーん…」
今度は曽根崎が目覚めた。
「ここはどこ?」
曽根崎も覚えていない様子だった。一体どういうことなのか。2人は見つめ合って、思い出したかのように帰り支度を始めた。
料金は曽根崎が支払い、駅で別れたが、どうもしっくりこない。曽根崎は何もなかったかのような顔をしている。
それからしばらく経って、会社の喫煙室でバッタリ会った。目が合って、「こないだはごめん」と言われたので、「私の方こそすみませんでした。久しぶりに記憶が飛びました」と答えた。
「オレも何も覚えてないんだよね」
それからも変わらず仕事をしていた。まるで幻を見ているかのような出来事だった。
