被害者は1人じゃなかった

 整理すると、曽根崎と飲んだのは会社の忘年会があった日だ。18時頃から会社のフロアーで打ち上げが始まり、100人以上が集まってコース料理を食べた。

写真はイメージ ©getty

 22時でお開きとなり、別の同僚と二次会へ行こうかと話していたとき、曽根崎に声をかけられた。

「飲みに行こうよ」

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「そうですね」

 曽根崎は妻に〈二次会に行く。ごめん〉とLINEした。

「○○さんも一緒に飲もうって言ってるんだけど、どうですか?」

「誰だっけ?」

「マッチョの子」

「ああ、あの子か」

 しかし、その同僚は都合が悪くなって、A子さんは曽根崎と2人だけで飲みに行くことになった。

 その場では仕事やプライベートの愚痴などを話した。2時間あまりも飲んだだろうか。未明に店を出て、それからの記憶がない。

 なぜ自分がラブホテルに入ったのか。曽根崎に誘われたのか、あるいは連れ込まれたのか。もしかして自分が誘ったのか。それすらも分からない。

 気が付くと、朝になっていて、2人でベッドに寝ていた。まさか…とは思ったが、相手は上司。子どもが生まれたばかりの既婚者なのに、そんなことをするわけがない。

 ところが、同じ目に遭った同僚が他にもいたことが判明したのだ。

 B子さんは曽根崎と飲みに行って、カラオケボックスへ行った。そのときに、酒を飲んで昏睡して記憶がなくなった。ラブホテルに連れ込まれたわけではないが、気が付くとテーブルの上にハルシオンが並べられていた。

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