ベンチスタートとなった岡崎の本音
8年前、南アフリカW杯で岡崎は本田に1トップのポジションを奪われた。その悔しさを噛み締めていたからこそ、次の2014年ブラジルW杯では主力としてプレーしたいかった。実際、ザッケローニ監督の下で北京五輪世代の岡崎、長友、本田たちが軸となったチームは史上最強とも言われたが、結果を出せなかった。
あれから4年後、ロシアW杯で岡崎と本田はベンチスタートになっている。
「4年前とちがって僕らもスタメンじゃなくなってきたり、怪我で練習に参加できないことも増えているんですけど。長友は別にして(笑)。それでも自分たちがなんで選ばれているのか分かった上で、このチームで勝ちたいという思いはみんなと共有しているし、その思いを抱きながらも野心は持っている。俺らはもう終わったんじゃないかと言われて、見返す気持ちがないとここまでやってこれないんで」
4年前、ブラジルW杯で得た教訓
4年前は野心の塊だった。
「自分たちのサッカー」を旗印にして、ブラジルW杯で世界を驚かそうと臨んだ。しかし、結果は10人になったギリシャにすら勝てず、1分2敗でグループリーグ敗退を喫した。
「4年前は、自分たちのサッカーで相手を圧倒したいというのがあった。それが崩れたとき、修正がきかなかった。全然焦る状況じゃなかったけど、こんなんじゃいけないと自滅していった。その経験を含め、足元を見つめ直してきたことが4年後の今、日本というチームを強くさせてくれていると思う」
4年前のブラジルW杯の経験が活きていると、岡崎はいう。
「今回、集まったとき、『W杯はうまくいかないのが当然。100%の力を出せると思うと痛い目にあう。60%の力でも勝ちきる、引き分けにする』ということを口酸っぱくみんなで言い合っていた。セネガル戦、うまくいかないことを想定しながらサッカーをしているのを見ると、4年前の反省を活かしてここまで来ていると思った。あの経験はムダじゃなかった。だから引き分けに持ち込めたと思うし、同時にW杯を経て成長している部分もあるのかなと思います」