女性用風俗の「あるある」なクレームとは

――どんなタイプの男性セラピストが、問題になりやすいのですか?

あす香 女性を依存させるタイプです。母性をくすぐるような、寂しがりやなところがある男性は、「私がこの人をちゃんと見ていないとダメだ」と思わせてしまう。皆に優しくて、色々な意味で距離感が近すぎるんです。そのため、本来は金銭を介した関係なのに、女性がそれ以上のものを求めるようになってしまいます。こういうタイプは、女性を精神的に病ませる「メンヘラ製造機」ですね。

 お互いに盛り上がっている時はリピートがもらえるのでいいのですが、3ヶ月くらい経って男性側のテンションが下がってくると、気持ちにズレが生じてクレームになることが多いです。「あんなに好きだったのに……」と物凄い長文の抗議文が届いたこともありました。

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水谷 あとクレームとしては、「セラピストが服を脱ぎ散らかしていた」とか、「使用後のタオルをぐちゃぐちゃにしていた」というのも多いんですよね。

あす香 「トイレの便座が上げっぱなしだった」もよくあります。「せっかく高いお金を払ったのに、こいつも他の男と同じかよ」と感じるのかもしれません。

 施術するときに、「ベッドフレームにローションやオイル、タイマーなどを置いてほしくない」というお客様は多いです。目に触れないようにポーチに入れておく丁寧さがあると、安心してもらえますね。セラピスト達には、「あなた達は“風俗で仕事をしている”と思っていても、お客様達は“1人の異性”として見ているんだよ」といつも話しています。

――クレームにはどう対処しているのですか?

あす香 謝罪だけで終わらせずに、お店のグループLINEで事例を公開しています。定期的に講習会を開いて、「女性はこういうことを嫌がるんだよ」と細かいところまで事例を共有し、仲間意識を持ってもらいます。セラピスト同士で話し合って、「どうすればよかったのか」考えて発言してもらうと、男の子は自分で言ったことを守ろうとしますね。