分析をした医師、A氏の説明は…

 中敷きXの分析を行った医師はもともとA氏の知人だった。

 この医師に本誌記者が資料を示すと「中敷きXのデータを分析したことは事実。だがA氏とは(Z社の)代表者が代わってから関係性はなく、代表者の変更にともなって分析結果の使用不可などはA氏に伝えていたのだが、まだ使われているとは寝耳に水の話だ」と困惑する。

 A氏の運営する通販サイトには、中敷きXに類似した商品が、中敷きYとともにZ社の社名を入れた商品として販売されている。そこには「石川遼選手も愛用」との宣伝文句が記載されたままだ。

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Z社の通販サイトでは石川選手が中敷きの宣伝に協力している

 このほかA氏のもとで働いていた従業員や取引先など複数の関係者に話を聞くと、複数の疑惑が持ち上がった。A氏の経歴、とくに過去の病歴についての疑問、従業員に対するハラスメント、さらには虚偽告訴の疑いまで……。5月初旬、「財界さっぽろ」は渦中のA氏を直撃した。

 A氏はまず中敷きXの分析データについて「1000人にわたるデータは医師ではなく私たち自身で測定し、記録・活用していたものであり、知的財産権は当方に帰属すると考えています。過去のデータは一部古くなっているため、現在はあらためて自社でデータの再取得と分析を進めております」と説明。

 その上で「そもそも、医師には分析の対価をお支払いしていたし、使用の差し止め要請については聞いていません」と話す。

 他方で、中敷きXの分析データを中敷きYに流用しているのでは、との問いには「兄からZ社を譲渡された後も、その公式サイトや通販サイトのパスワードなどを引き継がせてもらっておらず、最近ようやくそれを入手しました。表記について顧問弁護士と連携し、薬機法等の法令を遵守した内容に随時改善しております。なお、当社として誰かを責めたり傷つけたりする意図は一切なく、あくまで今後の改善と信頼構築を大切にして参ります」とした。ただ、景表法違反そのものについての弁解はしなかった。

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 このほかさまざまな疑問についてA氏自身が語った内容は、5月14日公開のニュースサイト「財さつJP」&「月間財界さっぽろ」6月号デジタル版、15日発売の「月刊財界さっぽろ」6月号で詳報している。

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