――早産だったそうですね。

紗世 予定よりも3ヶ月も早く産まれました。

――急に産気づいて、そのまま出産というかたちだったのでしょうか。

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紗世 本当に突然のことで、恐怖しかありませんでした。生まれてきた子どもたちは、想像を遥かに超えるほど小さくて、肌は透けるほど薄く、命がそこにあることが奇跡のように思えました。

 

――赤ちゃんと一緒に過ごすような時間もなく?

紗世 触れることすら許されませんでした。撫でるだけでも血流が促されてしまい、それが赤ちゃんにとって負担になることがあるそうで…。

 NICUの保育器の中で、たくさんの管につながれている子たちを、ただ見つめることしかできなくて。母親として何もしてあげられないことがつらくて、悔しくて、ただ泣くことしかできませんでした。

――大変な時期を過ごされたんですね。少し安心できるようになったのはいつ頃でしたか。

紗世 生まれてから約3ヶ月後。自力でしっかりと呼吸ができるようになって、ようやく退院の許可をいただいたときです。NICUでの日々は、まさに祈るような気持ちの連続だったので、「この子たちと一緒にお家に帰れる」と実感できた瞬間は、言葉にならないほどの喜びでした。

――今は無事に三つ子のお子さんたちもご自宅で過ごせるようになったということですが、3人の見分けはつきますか。

紗世 本当にそっくりで(笑)。特に寝ているときなんかは見分けがつかなくなるので、足の爪にカラーマニキュアを塗って区別しています。お薬やミルクの量を間違えたら大変なので。

子育てに奮闘する日々

――2歳のお子さんと0歳の三つ子の子育てということで、どのように日々を回しているのでしょうか。

紗世 毎日が本当にめまぐるしいですが、信頼しているシッターさん達のサポートに助けられながら、なんとか日々を乗り越えています。

 

――シッターさんは何人ぐらいいらっしゃるんですか?

紗世 最初は18人くらいのシッターさんがいましたが今は15人です。未熟児だとミルクも少しずつしか飲めず、ミルクの間隔も短く、夜間も眠れずで、同じ時間に2、3人のプロのシッターさんがいても本当に大変そうでした。