被害者のなかには1600万円だまし取られた男性も…。芸能人としての仕事を失ってからは、結婚詐欺師に変貌した鵜飼真知子(当時47)。彼女はいかなる方法で複数の男性たちをだまし続けたのか? そして、逮捕された彼女にくだった罰とは? なおプライバシー保護の観点から本稿の登場人物はすべて仮名である。(全2回の2回目/最初から読む)
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次の獲物は「58歳の会社経営者」…
中西さんもまた、真知子を一目で気に入り、経歴を知ってゾッコンになった。真知子は妖艶な笑みを浮かべ、中西さんに迫った。
「私こそ結婚を前提にお付き合いしたいですわ。年明けには結婚できると思いますので」
真知子は「モデルを辞めるから」と言って、当面の生活費100万円を要求した。
その10日後には、さらに100万円の追加を求めた。中西さんの部屋を訪れて、甲斐甲斐しく身のまわりの世話を焼き、「結婚するならもっと大きな冷蔵庫が欲しいわぁ」と言って、その費用20万円も騙し取った。
1ヵ月後にはさらに100万円を要求。その傍ら、結婚相談所に公務員の田中宏さん(当時52)を紹介してもらい、「結婚前提」で付き合い始めた。
中西さんの誕生日、4時間も遅れてきた真知子は、「いい女と会うのに、何で待つぐらいのことで怒るの?」と言い放ち、中西さんと口論になった。これをきっかけに中西さんとの交際をやめ、音信不通になった。
その一方で、田中さんと交際していた真知子は、高級ホテルの一室で情事を重ね、「早く結婚して欲しい」という田中さんに、こんな話を切り出した。
「実は息子がサッカーで大ケガをして、ドイツで治療したんです。その借金500万円を返さないと、あなたと結婚できない。お金さえ返せば、すぐ結婚できると思います」
それで田中さんは500万円を振り込んだ。「早く自分の元へ来て欲しい」と言うと、真知子は「実は利息が100万円ある。それも返さないと結婚できない」とさらに無心。
だが、田中さんにそれ以上の余裕はなかった。
「話が違うじゃないか!」
