真知子:頼めばいつもOKしてくれたので、私も甘えていた部分はあると思う。
検察官:ただ友人というだけで、お金を送る理由がありますか。結婚をちらつかせて騙し取っていたのでは?
真知子:私としてはそんなつもりはないです。生活費が足りないので送ってほしいと言いました。
検察官:別の男性たちからもプロポーズを受けていたのではないですか?
真知子:初期の頃のことで、お互いの生活環境を考えれば、一緒に住める状況ではないという話はしました。
検察官:もう1人の男性からも1500万円以上受け取っている。なぜそんな大金を?
真知子:私と息子の生活を応援してくださったのだと思う。
検察官:親しい友人なら1000万円も出すのか?
真知子:そこが私のいけないところで反省しております。
検察官:3人とも「騙された」と言っている。
真知子:そうであれば、私の大切な親友たちに対して、悪いことをしてしまったのだと思います。
息子がドイツやブラジルに行った事実はなく、家政婦ですら「何の仕事をしているのか分からなかった」というザマだ。
事件は「意外な展開」に
だが、逮捕の半年前に知り合ったという会社経営者が身元引受人となり、真知子は2ヵ月半で保釈された。刑期があければ、休眠中の子会社社長として招き入れ、女実業家として再生させるという。
この会社経営者は真知子の公判に情状証人として出廷した。
弁護人:知り合ったきっかけは?
証人:半年前に顧問弁護士から紹介された。
弁護人:事件のことは聞いているか?
証人:結婚詐欺と聞いている。22~23年前にアメリカに渡り、健康食品の事業を展開したが、詐欺に引っかかって、丸裸で日本に戻ってきたと聞いている。生活費に追われ、このような事件に手を出した。本業がないのが一番の原因と思う。
弁護人:他に仕事ができると思うか?
証人:語学堪能で、ニューヨークに会社を出し、一時は発展的だったと聞いている。休眠会社を一つあてがい、私の手が回らない仕事を彼女に任せたいと思っている。
検察官は次のように質問した。
検察官:彼女の能力を確かめているか?
証人:彼女は4年間、外国で仕事をしていた。その点を買いました。
検察官:その後、働かずに生活し、結婚詐欺を仕掛けた。その点は詳しく聞いているか?
証人:具体的には聞いていない。男女のことだから、かなりメンタル的なことではないかと思う。
検察官:それならどういう人物なのか分からないのでは?
証人:まだ半年だから分からない。朝6時半になったら、モーニングコールをしている。精神的な面からバックアップしていくつもり。
検察官:なぜ経営を任せる?
証人:彼女みたいな人材を探していた。中年で語学堪能な人は少ない。アメリカでの4年間の経験を買った。