弟を逃がそうとしたけれど…

「“父の手が届かないところへ”と思ったんです。そのため弟は県外まで家出をしたこともありました。児相に保護されても、当時は親の力が絶対だったので、家に戻ってきます。すると、父が殴って、また逃げての繰り返し。ある日、裸で立たされていた弟は、近所の洗濯物を盗んで逃げたんですが、窃盗で捕まりました。父から逃げられるなら少年鑑別所に送られてもよかったんだと思います」

 弟の虐待に学校の先生が気づいたときもあった。

「私が4年生ぐらいのとき、弟の担任の先生が気がついたんです。性的虐待以外にも、タバコを押し付けられたりしていましたので、腕に根性焼きのような跡がありました。その先生がある日の夕方、家に来て、両親に話をしたことがありました。私と弟を養子にしたいと言ったんです。もちろん父親が追い返しました。その後、その先生とは連絡が取れなくなりましたね」

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【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】

▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)

▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)

▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)

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