TikTokのフォロワー35万人を誇る、人気インフルエンサーのりぃあんさん。広告代理店で働きながらライブアイドルも兼務している。学生時代は“陰キャ”でいじめにも遭っていた彼女は、どんな経緯でアイドルになったのか。どうやって会社員とアイドルを両立させているのか。話を聞いた。(全2回の2回目/最初から読む

会社員とライブアイドルの“二足のわらじ生活”を送るりぃあんさん ©深野未季/文藝春秋

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「母が離婚して働きに出ていたので…」アイドルへの憧れを封印していた子ども時代

――りぃあんさんはもともと、アイドルになろうと思ってなかったそうですね。

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りぃあんさん(以下、りぃあん) そうですね。今は母も再婚していますが、小さい頃に離婚して働きに出ていたので、小学生の頃から家では常に妹と一緒に過ごしていました。

 小さい頃は、周りの子がブランドものの新しい子ども服を着ていたりするのを見るのが、正直しんどかったんです。自分は何百円とかの安い服をずっときているのにって。だからアイドルのキラキラした世界に憧れはありましたけど、なろうとは思っていませんでした。

――そんな中でアイドルになったきっかけはなんだったのですか?

りぃあん 高校3年生の時にきっかけがあったんです。吹奏楽部のステージで人前に出て踊ったことで、小学生の頃から憧れていたアイドルへの気持ちをずっと封印していたことに気が付いて。そこから人前に立つ仕事をしたいなーと思うようになりました。

 それで、ちょうどその頃に投稿した動画がバズったので、そこから何かしらの活動者、今でいうインフルエンサーみたいな感じになろうかなと。高校を卒業する頃にはTikTokが流行りはじめて、そこでも動画を投稿していたので。

 

高校卒業後、働きながらインフルエンサーとして活動

――アイドルになる前に、まずはインフルエンサーになるわけですね。「石油王と繋がりたい」というTikTokのユーザー名もこの頃に決められたんですか?

りぃあん 当時、お金大好きみたいな感じで、ずっと配信とかでも言ってたんです。そこから、ちょっと個性がある方がファンが増えるから、面白いのがいいなと思って。他の人と差別化するためにも「石油王と繋がりたい」ってしましたね。

 あとはとにかく母にこれ以上、お金を使わせたくないと一番に思っていたので。VAZというインフルエンサーの事務所に入りましたが、実は高校を卒業してすぐに、就職しているんです。

 母としては大学にいって欲しいという気持ちがあったそうですが、就職したら収入も安定するし、仕事をしながらでもインフルエンサーとして活動できるかなと思って働きに出ました。