ライブドアとフジテレビが激突したニッポン放送買収合戦から20年。当時、ニッポン放送社長だった亀渕昭信氏が、その息詰まる攻防を克明に記録した日記を「文藝春秋」6月号から短期集中で連載している。
7月号の第2回(中編)は、2005年2月8日早朝、30分ほどの時間外取引でライブドアがニッポン放送株の約30%を押さえ、戦いの火蓋が切って落とされたところから始まる。
買収合戦で、ライブドアが誤算
ニッポン放送はいきなり守勢に立たされた。そこで放った反撃の方策は、「貸株」と「新株予約権」だった。
これに対して、ライブドアも黙っていない。リーマン・ブラザーズから調達した800億円の資金で、ニッポン放送の株をさらに買い進め、その経営権を握るために保有比率50%以上を目指す。真の目標は言うまでもなく、ニッポン放送が22.5%の株を持つフジテレビだ。
しかし、ライブドアにも誤算があった。それは18.57%(1月13日時点)のニッポン放送株を持っていた村上世彰氏率いる村上ファンドが、買収合戦で株価が上昇したのに乗じて、かなりの量のニッポン放送株を売り抜けたことだ。ライブドアはフジ攻略のハシゴを外されたかっこうとなった。
