ヨットで世界を旅しながら、自給自足生活をしているルイさん・コルさん夫婦。2人が運営しているYouTubeチャンネル「うみと船」では、ヨット生活や旅の様子を発信し、登録者数7万人超の人気を誇っている。

 ヨット生活5年目を迎えた2人は、船の上でどんな生活を送っているのか。ヨット生活をしていて、危険な場面に遭遇することはないのか。ルイさんとコルさんに話を聞いた。(全2回の2回目/最初から読む

YouTubeチャンネル「うみと船」を運営するルイさん(左)とコルさん(写真=「うみと船」提供)

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歴史が垣間見える寄港地、息を呑むほど美しい海

――ヨットで日本各地を巡った後、2024年6月に石垣島から外洋に出たのですよね。現在はどのようなルートで旅をされているのでしょうか?

コルさん(以下、コル) 石垣島を出て、フィリピン、インドネシア、東ティモール、そしてまたインドネシアに戻ってきました(2025年3月取材時点)。

――ヨットで海外を巡るなかで、特に印象に残っている場所はありますか?

コル たくさんありすぎて選ぶのが難しいですが……。フィリピンのクーヨー諸島や、インドネシアのスラ諸島は、周りから孤立した島だからか、独特な歴史や文化があって面白かったです。特にクーヨー諸島は、想像以上に人が住んでいて、物資も豊かでした。昔から主要な航路の寄港地だったからかなぁ、なんて歴史が垣間見えるのも、楽しかったですね。

 また、スラ諸島の孤島のビーチは、今まで訪れた中でも透明度が高く感じました。海の透明度は季節や天候の影響もあると思いますが、息を呑むほどの美しさでした。

ルイさん(以下、ルイ) インドネシアのマルク諸島も良かったですよ。マルク諸島は、かつてスパイス貿易の中心地で、ヨーロッパの国々が覇権を争った歴史がある場所です。今は穏やかに見えますが、当時の要塞跡などが街中に残っていて……。

コル 海外の場合、一般的な観光地以外は飛行機だとアクセスが難しかったり、すごく時間がかかったりする場所が多いじゃないですか。でも、船なら訪れることができる。それがやっぱり、ヨットで旅する醍醐味ですよね。

ヨットで世界を旅するふたり

ヨット生活の費用は「不便な場所ほど不要」

――ヨットで世界中を旅すると聞くと、やはり気になるのが費用のことです。ヨット生活にはどれくらいお金がかかるものなのでしょうか。

ルイ 船自体の購入価格は、中古ならタイミングが合えば、かなり安い値段で手に入りますよ。リビングやキッチン、トイレ、シャワー等生活に必要なものが揃っているヨットでも、100万円、200万円くらいで買えることもあります。船の大きさや程度によって幅があります。

――船を手に入れた後の生活費はいかがですか?

ルイ どこに停泊するかによりますね。マリーナのような設備が整った場所に停めると、係留費がかかります。安いところでも、陸上の家賃ぐらいはかかるかな。ちなみに僕らは、インフラが整っていない不便な場所を好んで巡っているので、費用はほとんどかかりません。