ヨットで世界を旅しながら、自給自足生活をしているルイさん・コルさん夫婦。2人が運営しているYouTubeチャンネル「うみと船」では、ヨット生活や旅の様子を発信し、登録者数7万人超の人気を誇っている。
2人はもともと、どんな生活を送っていたのか。なぜ夫婦でヨット生活を始めることになったのか。ヨット生活5年目を迎えたルイさん・コルさんに、話を聞いた。(全2回の1回目/2回目に続く)
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「カナダに行き先を変更しない?」から始まったヨット生活
――ルイさんとコルさんは、いつからヨット生活を始めたのでしょうか?
ルイさん(以下、ルイ) 最初に始めたのはカナダのバンクーバーです。2014年に初めてヨットを購入して、それから足掛け3年ぐらいヨット生活をしていました。その後、一度日本に戻り、2020年に現在乗っているヨットを購入し、ヨット生活を再開しました。大阪から出発して、今はインドネシアにいます(2025年3月取材時点)。
――最初のヨット生活は、日本ではなくカナダからのスタートだったのですね。
コルさん(以下、コル) もともとは、「今年の夏は北海道にキャンプに行こう」と2人で話していたんです。でもある日、ルイが突然「自然豊かなところでキャンプするなら、カナダに行き先を変更しない?」と言い出して。
ルイ 白馬の夢を見たんですよ。で、「これはカナダのホワイトホースに行けっていうお告げかもしれない!」と(笑)。
当時はお互いに仕事も学業も転換期にあって、「今なら、旅行どころか住めちゃうね」となって。東京で住んでいた家を引き払い、2人でカナダに拠点を移して、ヨット生活をすることにしたんです。
――そもそも、2人はどのようにして出会ったのでしょうか。
コル 友達からの紹介です。私もルイも旅や自然が大好きだったから、すぐに意気投合しました。
ルイ 僕とコルは、感性が似ているんですよね。やりたいことや行きたいところがあったら、すぐに「じゃあやっちゃう!?」ってなる。だから、カナダ移住もあっさり決まりました。
10代から旅に出ていたコル、子供の頃から自然が好きだったルイ
――コルさんもルイさんも、フットワークが軽いんですね。
コル 私は10代の頃から旅が好きで、アルバイトで資金を貯めては東南アジアやヨーロッパを旅するという学生時代を送っていました。地図を見ながらワクワクするところがあったんです。
でもある時、「いろんな世界を見たいと思って海外を旅しているけど、自分の生まれ育った日本にも知らない場所が沢山あるな」と思って。それからバイクの免許を取って、北海道から沖縄までバイクで旅をしました。
――ルイさんは、いつから海や旅に興味を持つようになったのですか?
ルイ 実は、子供の頃は海にも旅にも特別興味がなかったんですよ。僕が生まれたのは横浜の新興住宅地で、海はそんなに近くないし、父親から海外旅行に誘われたときも、「いや、別にいい」と言っていたくらいです。
ただ自然は好きでした。カブトムシやザリガニ探しはよく行ってましたし、たまに行った父親とのキャンプも記憶に残ってます。
「海っていいな」と思い始めたのは、16歳の頃です。友達の親戚が伊豆にいるからという理由で、毎年夏の間、友達複数人で伊豆の川奈で生活したんです。自然豊かな土地で、泳いだり、貝や魚を獲って自炊したりして。それがすごく楽しかったんですよね。
それから数年後、「もっと自然に触れたい」と八重山諸島に行き、そのまま5年間ほど波照間島に住んでいました。

