――もしこういう戦争が落ち着いて、日本人がウクライナに行くとしたら、どこをおすすめしますか。
ネトーチカ 北部、西部、東部、南部とすべてを訪れてほしいです。西部はポーランドや中央ヨーロッパのイメージですが、南部は地中海につながるギリシャやイタリアの影響があり、地域による多様な文化があります。
オデーサは夏にはビーチを楽しめますし、ウクライナ料理もとても美味しいんですよ。ほかの地域にもそれぞれいいところがあります。
あと日本の方にはぜひキーフの日本カフェに行ってみてほしいです。抹茶ラテに味噌が入った飲み物だったり、日本人が知らないユニークな日本にインスパイアされた料理を見ることができます。ウクライナは日本食がすごく流行っていて、すしの年間消費量が日本に次いで世界第2位という調査結果もあるそうですよ。
――逆に日本人はウクライナのために何ができるでしょうか。
ネトーチカ ウクライナへ興味を持ってほしいです。興味をもってもらえることが、戦争の中で私達にとって少しでもよい未来につながります。それは、侵略されてみないとわからないかもしれません。こうして興味を持ってもらいインタビューを受けないと、オデーサの私の家に被害が出ていることも誰も知らなかったでしょう。
時々、誤解や偏見から心ない質問を受けることもあります。例えば「ロシア語を話すなら、ロシアの一部になりたいのでは?」と聞かれることがありますが、言語とアイデンティティは別です。どんな人でも、自分の国が侵略されている時に、そんなふうに誤解されるのはとてもつらいことです。
――将来はウクライナに戻りたいと考えていますか。
ネトーチカ 私は、戦争が公平な条件で終わることを心から願っています。そして、その時にはウクライナに戻って復興に協力したいです。今は日本で、ウクライナのクワスや文化を広めることで、少しでも母国に貢献できたらと思っています。将来、ウクライナに戻ったときに「日本での経験が役に立った」と思えるよう、これからも誠実に活動を続けていきたいです。
そして、今こうして日本で活動できているのも、支えてくれている方々のおかげです。日本の皆さんにも心から感謝しています
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