続いて京大のランキング(表4)。もちろん関西勢一色となる。
東大のランキングとの大きな違いは、トップが公立校であることだ。その下も、公立と私立がバランスよく入り交じっている。
最後に、国公立大学医学部医学科のランキング(表5)。東大は東京にあるし、京大は京都にある。しかし国公立大学医学部医学科は全国にほぼ均等に50ある。全国の進学校がわかる。
1位の東海が2位以下を大きく引き離している。東海は、東日本と西日本のちょうど中間にあるため、東大と京大に志願者が分かれる。だから両大学の合格者数ランキングではさほど上位に来ない。しかし近隣には、名古屋大学、名古屋市立大学、岐阜大学、三重大学、浜松医科大学など、医学部を擁する大学が多い。だから医学部合格者数では突出した数字を出す。
私立では愛媛県の愛光や愛知県の滝や大阪府の四天王寺、公立では熊本県の熊本や北海道の札幌南や宮城県の仙台第二も、東大や京大のランキングでは目立たないが、国公立大医学部では上位に来る。東大・京大のランキングを見ているだけでは、このような学校の存在には気づきにくい。
「東大合格ランキングだけでは見えない景色」が存在する
ちなみに、入試の難易度でいえばたとえば一橋大学も京大や医学部に引けをとらない。もしこれらのランキングに一橋大学の合格者数も加えたら、おそらく首都圏の高校が少しずつ順位を上げるだろう。もちろん私立も含めて、他大学にも、東大・京大に引けをとらない入試難易度の学部・学科がある。それらを加えていけば、さらにランキングは変化する。
……と、入試難易度の高い大学・学部・学科をさらに細かく追加してランキングしたところでキリがない。どこかで線引きしてランキングしている時点で不完全なデータでしかないということだ。
桜が咲くと花見がしたくなるように、東大が合格発表をするとランキングが気になってしまうのには、冒頭で述べたように歴史的な理由がある。それは仕方がない。しかし少なくとも、東大合格ランキングだけを見ていては気づかない景色があることはわかってほしい。


