――たしかに、真っ新な場所ではなく、何かしらの伝手や情報が育まれている場所の方が負荷は少なくなりそうですよね。

佐藤 そこで生まれ育った夫や夫の家族も素敵な人たちだったので、とても助けられました。私としては、「お義母さんもいるの? 他の家族もいるの?」ではなくて、とても頼りになる存在として心強かった。結婚後は、地域に暮らす皆さんから、スーパーや飲食店の情報を教えてもらうこともあったし、夫の同級生とも仲良くなりました。特に、女性の同級生たちとは私のほうが仲良くなっちゃったくらい(笑)。

インドア派だけど、やってみると移動も楽しい

――佐藤さんの友人や、所属するオスカープロモーションは、結婚を機に香取市に移住すると知って、どんな反応を?

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佐藤 結婚を事務所に報告した際は、香取市に移住することも理解してもらい、受け入れてもらいました。友人たちへの報告については、もともと私は、同業者のお友だちが少なくて(笑)。仕事が終わると、「お疲れ様でした」って、すぐ家に帰るタイプ。子どもの頃からずっとインドアで、体を動かすような趣味もなくて、マンガを読んだり、ゲームをしたりする方が好き。体力をつけるような運動をしないといけないなと思っていたときに、乗馬と出会った。それものめり込んだ一因だと思います。

「お馬さんは表情豊かでいろいろな顔を見せてくれる」と語る佐藤藍子さん

――インドア派だった佐藤さんが、自然豊かな場所から車で約2時間をかけて仕事に通う。これまでとはまるで違う生活スタイルになったと思います。

佐藤 車の運転は好きだったので、逆に車の中でプライベートな時間を持てることが楽しかったです。移住したことで、不安が生じてくるのではって思いもあったのですが、やってみると意外と楽しい。行動すれば、案外、楽しいことは探せるものなんだなって。どのみち2時間かけて移動はしなければいけないわけですから、その時間をもったいない時間にするのか、有意義な時間にするのかは自分の心持ち次第ですよね。「はぁ~運転をしなきゃいけない」と思うか、「好きな音楽をかけて一人でドライブを楽しめる時間」とプラスに考えるのか。考え方を変えることによって、時間の使い方も変わるという発見がありましたね。