男はなぜ不倫関係にあった女性(当時44)を殺害したのか? 逮捕後、明らかになったベトナム人女性(同24)殺害の理由とは? 平成23年に起きた怖すぎる事件の顛末をお届け。なおプライバシー保護の観点から本稿の登場人物はすべて仮名である。(全2回の2回目/最初から読む)

写真はイメージ ©getty

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44歳女性を殺害した男→なぜ携帯に「他の女性の遺体写真」が?

 警察は5年前に発生し、未解決事件になっていたベトナム人女性殺人事件の捜査本部に連絡。清川の自宅を捜索したところ、被害者の血痕がついた果物ナイフや鉄パイプを発見。被害者の遺体から検出された唾液のDNAが清川のものと一致したことから、まずはベトナム人女性のグェン・ティ・トゥイさん(同24)に対する殺人容疑で逮捕した。

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 動かぬ証拠を突きつけられ、清川は犯行を認めた。事件当時はトラック運転手をしていた。トゥイさんが住んでいた自宅アパートは、運転手たちが休憩に使うオートレストランの前にあった。トゥイさんは同郷の若い男女とアパート前でよく談笑していた。

 事件前、トゥイさんを見かけた清川は一方的に一目惚れ。トゥイさんの住んでいたアパートの部屋をベランダ側に回って覗くようになり、ある日、1人で寝ている姿を確認。玄関のドアノブを回したところ、無施錠であることに気付いた。

「チャンスだ。襲うことができるかもしれないぞ!」

 清川は千載一遇のチャンスに舞い上がり、車に積んでいた鉄パイプなどを取りに行った。そして、寝ているトゥイさんの頭にいきなり鉄パイプを振り下ろしたのだ。

「ギャーッ!」

 悲鳴を上げたトゥイさんに馬乗りになり、首を絞めて殺害。衣服をまくりあげて乳房を舐め、下着を引き下ろして、陰部を携帯で撮影した。

 清川はこの犯行について次のように述べている。

「扉が開くなんて予想もしていなかったので、異常なぐらい舞い上がる感情を覚えた。騒げば頭を殴るつもりで鉄パイプや軍手を用意した。部屋に人がいないことを確認し、服の上から胸を触っていたら、目を覚まして大声を上げたので、『殺すぞ!』と脅し、口を手でふさいだ。それでも声を上げて抵抗するので、鉄パイプで力任せに頭を6回ほど殴った。いったん静かになったが、また声を出して暴れ始めたので、生きたまま強姦するのをあきらめた。屍姦しようと思い、動かなくなるまで首を両手で絞め続けた。服を乳房の上までまくり上げ、揉んだり舐めたりしたが、下着を脱がして陰部を触っても勃起しないので、強姦するのはあきらめた」

 さらにここからが清川の異常なところで、台所にあった果物ナイフで胸を切り裂き、手を差し入れて内臓を露出させ、携帯で撮影。その傷口から血液を飲んだような痕跡もあった。

 トゥイさんの遺体は翌朝に戻ってきたルームメイトのベトナム人女性が発見した。ただちに警察に通報したが、交友関係からは清川は当然浮上せず、事件は未解決のままだった。

 トゥイさんの遺体を見た当時の雇用主は次のように語っている。