美少女でもイケメンでもなく…“45歳のくたびれたおっさん”が共感される“シンプルな理由”「もうちょっと普通のおじさんにしてください」とリクエストも

――自己認識が、実際の能力より少し控えめなのも印象的です。

佐賀崎　僕が共感するのは、そこまで自信があるわけではないけど「任されたからには頑張る」という感じの人なんですよね。「弟子たちに慕われてベリルが救われる構図が好き」と言ってくれる人もいて「魅力的なおっさん」をいろんな側面から作っていきたいんですよね。

「もうちょっと普通のおじさんにしてください」というリクエストの理由は？

――「おっさん剣聖」の主人公で印象的なのは、実直で良識的なことです。“師匠キャラ”って比古清十郎や亀仙人、鱗滝左近次など破天荒だったり飲んだくれだったりとクセが強い印象なので意外でした。

佐賀崎　それはベリルが「主人公」だからですね。主人公にはある程度の“共感性”が必要で、個性が強すぎたり人格が破綻していたりすると、感情移入しづらくなってしまう。だから基本的に善良で、礼儀正しく、でも剣の腕は確かという絶妙なキャラバランスを意識しました。

――ベリルはイラストも、ちゃんと45歳くらいに見える外見なのですが、何かリクエストはしたのですか？

佐賀崎　「ちゃんとおじさんに見える」ことはとても重視していました。実は最初の案ではもうちょっとかっこよかったんですけど、「もうちょっと普通のおじさんにしてください」とお願いしました。

――「普通のおじさんにしてください」

佐賀崎　そうです（笑）。一目で「ただものじゃなさそう」って思われる見た目にはしたくなかったんですよね。当時流行っていた他の作品だと、主人公の年齢が高くても外見は大体イケオジだったので、本当に普通のおじさんにして大丈夫なのか不安はありましたが、そうしてよかったと思います。

▼▼▼

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。