今月5日と10日に2026W杯アジア最終予選が行われ、サッカー日本代表はオーストラリア、インドネシアと対戦。アウェイ開催のオーストラリア戦は0-1で敗れ、ホーム開催のインドネシア戦は6-0で勝利した。
すでにW杯出場を決めている日本代表は今回、7人の選手を初招集している。元日本代表で、現在はサッカー解説者として活躍する城彰二氏は、この2試合をどう見たのか。話を聞いた。
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「理解に苦しみました」森保一監督の采配に疑問
――今回のオーストラリア戦、インドネシア戦のテーマは森保一監督曰く「新戦力の発掘」でした。
城彰二(以下、城) テーマとしては理解できるけど「やり方はどうなの?」って思いましたね。オーストラリア戦は、主力では鎌田(大地)だけを入れて、あとは新加入や再招集された選手ばかり。
森保監督は会見で「主力選手に頼らないでほしい」と言っていたけど、それは逆でむしろ主力とある程度絡んで個の力を発揮できるか、連携面で機能できるか、などを見ていかないといけないと思うんです。
――確かに新戦力のテストは、新しい選手と既存の選手を組み合わせて判断しますね。
城 じゃないと、選手の力を正確に見極めるのが難しい。オーストラリア戦は、主力が鎌田しかいないので、新しい選手は個でやるしかない。選手からすれば生き残りたいし、アピールしたいから自然とそうなります。
でも、それじゃチームとして機能しないから、5バックで必死に守ったオーストラリアに敗れた。これは選手の力というよりも森保監督のマネジメントのミスじゃないかなと思います。
――インドネシア戦は、主力を入れてきました。
城 中盤に遠藤(航)を入れ、久保(建英)と鎌田を起用しました。センターラインに主力がいるので、どう戦うのか、どう守るのか、ゲームの作り方を新しい選手は学べたと思います。
インドネシアはオーストラリアより強度が落ちるけど6点取れたし、新しい選手も見られた。なぜ、オーストラリア戦からこのやり方をしなかったのか、理解に苦しみました。
