城彰二が「攻撃で大きなアクセントになる」「今後がすごく楽しみ」と絶賛した選手とは?

――落差のある2試合になりましたが、そのなかでも今後が楽しみな選手はいましたか。

 佐藤龍之介は、今後がすごく楽しみですね。久保と交代して入りましたが、久保とプレースタイルが似ていて、技術レベルが非常に高い。間で受けることができるし、狭い局面でも前を向ける。積極的に顔を出してパスを受け、ボールを持つと仕掛けていた。攻撃で大きなアクセントになる選手だと思います。

――他に目立った選手はいましたか。

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 平河(悠)は、外に張るだけじゃなく、なかにカットインしていくし、シュート力もある。オーストラリア戦のミドル(前半37分)は外れたけど素晴らしかった。久保と同サイドで連携して打開していくプレーも見せていた。ウイングバックだけど、ほぼウイングで久保との相性も良いので、これからが楽しみな選手です。

――懸念のFWは、上田綺世が不在のなか、アピールできたでしょうか。

 町野(修斗)は起点を作れるけど、背負っているだけで、振り向きざまにシュートを打つとか、そういうのができない。インドネシア戦では活躍したけど、FWの可能性で言えば大橋(祐紀)の方があると思います。

 大橋は体が強く、ボールキープができるし、ランも速い。裏抜けしようと何度も動き直ししていたし、一度サイドの裏に出て、DFを引っ張って作ったスペースに鎌田が入っていい形を作れたシーンがありました。攻撃面でいろんなシーンに顔を出していけるし、上田(綺世)ともタイプが違うので今後、周囲と噛み合っていけばおもしろい存在になっていくと思います。

城彰二が絶賛した佐藤龍之介 ©時事通信社

代表招集に賛否が分かれた佐野海舟

――今回は、2024年7月に不同意性交の疑いで逮捕され、不起訴処分になった佐野海舟も招集されました。代表合流前、記者会見を開き、謝罪をしていましたが、SNSでは代表招集に賛否が分かれています。

 佐野の招集は、森保さんとサッカー協会の判断ですし、そもそも選手選考は監督の専権事項ですからね。いろんな声があるなか、それでも佐野を招集した森保さんは、賛否両論が出るのを覚悟していたんじゃないかなと思います。

――佐野のプレーは、どのように映りましたか。

 オーストラリア戦は、良さがあまり出なかったけど、インドネシア戦は遠藤と組んで良かったと思います。ボランチは、遠藤と守田、田中碧の3人が軸だけど、それだけでは今後、厳しくなっていく。

 藤田(譲瑠)チマは、パスの精度が良く、攻撃力はあるけど守備をサボるし、安定感がない。佐野は、オーストラリア戦で平河が高い位置をとった裏のスペースをケアできていた。対人守備も強く、守備力が高い。

 インドネシア戦ではバランス良く上がり、ミドルを放つなど攻撃面でも良さを見せた。もしかすると遠藤と佐野のコンビがW杯でも主力になるかもしれないですね。