「毎月30万円」を彼女のために使う生活

 当初から吉田は「吉川」という偽名を名乗り、「36歳でIT企業に勤めている。月給は70万円ぐらいある」などと見栄を張り、月30万円近くを里奈さんに会うための費用に充てていた。

 里奈さんが「夜は系列店でアルバイトをしたい」と言えば、その店にも通い、それが終われば、また昼の店でも里奈さんを指名するという具合に、「他の客には指名させたくない」と大金をはたいて里奈さんを独占し続けた。

 その間に里奈さんは「人気No.1の耳かき小町」に昇り詰め、テレビにも出演。「月収は68万円」などと公言していた。

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 クリスマスに吉田は里奈さんに任天堂のゲーム機を贈り、里奈さんからはカード入れを貰った。年末年始は9日間連続で通い詰め、バレンタインデーには手作りチョコを貰った。

 ホワイトデーの頃には、「私、これからは17時以降は店にいないことにする。あなたのために空けておくから、お店に来てね」などと言われ、吉田はなおさら使命感に燃えて通うようになった。

 里奈さんにメールアドレスも教えてもらい、直接連絡して予約を取り付けるなど、「自分は特別な客なんだ」と自負するようになっていった。

 事件の4カ月前、吉田は意を決して里奈さんを食事に誘った。

「そうね、外での姿も見たいわね」

 あっさりOKを貰い、吉田は飛び上がるほど喜んだが、約束の日に店に行くと、「やっぱり外で会うのは禁止されてるから……」と断られ、ガッカリした。

次の記事に続く 老婆に馬乗りになってハンマーで…耳かきセラピスト(21)に毎月30万円を貢いだ男→彼女と祖母を殺害する「凶悪犯」になりさがった理由(凶悪事件・平成21年)

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