夫婦で“連帯保証”を負っているからこそ…

(4)離婚

 結婚してから年数がたつと、若かった頃のように仲良し状態が継続している夫婦は少なくなる。熟年離婚が増えているのも現代の傾向である。では夫、あるいは妻に愛想がついていよいよ別れましょう、となった場合でも夫婦ペアローンは離婚できない。互いが相手方に連帯保証を負っているからだ。

 このように夫婦ペアローンは始まりこそよくとも、世の中の変化、仕事の変化、そして家庭内の変化によって大きく左右される「恐怖のローン」に転じるリスクがある。とくに中高年夫婦にとってリストラや健康、離婚はかなり痛切な話ではないだろうか。

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写真はイメージ ©graphica/イメージマート

 こうした状況に陥った場合、解決手段はひとつだけ。売却だ。売却額が取得額を超えていれば難を逃れることは可能だが、問題はマーケットが崩れている場合である。現在マンションマーケットは堅調だが、今後はわからない。人口が集中する都心部でさえ、今後は多死・大量相続時代を迎える。ペアローンのリスクを低減するには借入額で背伸びしすぎないこと、早めに期限前返済をしていざというときに慌てないようにしておくことだ。

 なんでもやりすぎは慎みたい。そんなにバラ色の人生がいつまでも続くわけがないのと同様に、マンションマーケットも永遠に上がり続けるわけではないのだから。