高騰する住宅を何とか手に入れるために、最近その存在が注目されているのが夫婦ペアローンだ。このローンは、夫婦共働きが当たり前になったことに着目して、金融機関が夫婦ともに住宅ローンを貸し出すことができるようにした商品である。

写真はイメージ ©takasu/イメージマート

夫婦ペアローンで借りられる金額は?

 パワーカップルという言葉を最近目にするようになったが、タワマンと同様にパワーカップルに明確な定義はない。ニッセイ基礎研究所では夫婦それぞれの年収が700万円を超える世帯をパワーカップルと定義して、その数は全国で約40万世帯になると推計している。年収700万円といえば大企業勤めの中堅社員くらいのイメージだろうか。世帯年収でおおむね1500万円以上の世帯が該当する。

 ではこの世帯年収1500万円の夫婦が金融機関で夫婦ペアローンを申し込むと今、どのくらいのお金を貸してくれるかといえば、メガバンクなどの住宅ローン審査では、年間ローン返済額(元金返済及び金利の合計)上限を年収の25%以内くらいに設定している。最近は金利が低いので金融機関の中には年収の30%を超えるラインであっても貸し出すところもあるが一応の目安とされているのが25%だ。

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都心のタワマンも手に入る

 仮にローン金利が2%、期間35年、元利均等返済のローンを組もうとすれば最大で9400万円程度を借りることができる。このクラスの夫婦になれば多少の貯蓄もあるだろうし、親からの援助が期待できるならば、1億円を超える物件にも手が届くことになる。変動金利型住宅ローンであれば、実際の適用金利は0%台後半のものも多いので、借入可能額はもっと膨らませることが可能だ。

 この夫婦ペアローンを使って都心のタワマンを手に入れたカップルがたくさんいる。お互いに都心勤務であれば通勤負担がかなり低減できる。子供がいても近所の保育所に子供を預け、どちらか早く退勤したほうが子供を迎えに行く。都心は塾などの施設も充実しているので、中学受験などを目指すにも好都合。うまく合格できれば都心の私立中学に通学するにも便利、とよいことずくめになることが期待できる。