こずえ その頃はピンクやフリルなど、いわゆる“かわいい服”は「似合わない」「絶対着れない」と思っていました。当時はかわいいとは無縁で、外見で戦わない、明るく、面白い、モテるブス目指して頑張っていましたから。

 その戦略が彼には通用せず、しかも真正面から外見で否定されて、モテるどころかフラれたブス…みじめさ100万倍でした。

 でも、この失恋をきっかけに、自分の戦略は歪んでいること、自分だって本当はかわいくなりたいし、キレイになりたい気持ちがあることに気づいていきました。

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――そしてブログの方向性を変えたと。

こずえ はい。“毛穴をどうにかする”じゃなくて、私はキレイになりたい、そう、“美人になりたい”んだ! それで『アラフォーですが今さら美人になれますか』という新ブログを2012年に始めました。

――そこから“ブスをやめる”という発想に?

こずえ 最初はファッションやヘアメイク等で自分を美人にしようと頑張ったんですけど、もう数年間はぜんっぜん美人にならなくてやさぐれました。自己否定が強く、自己肯定感の低い内面と向き合うようになってから、“ブスをやめる”ことがまず必要だと気づいていきました。ブスをやめるって、自分を客観的に見ることなんですよ。「ブス眼鏡を外す」って感覚です。

――ブス眼鏡?

私がブスをやめられなかった理由

こずえ ブス眼鏡を掛けると、自分をブスたらしめている原因、私の場合は毛穴、鼻の毛穴の大きさが拡大されるんですよ。鏡を見たときに自分の顔の大きさくらいに自分の鼻の毛穴が映っているように見える、人からもそう見えていると思い込む。

―――なるほど、心の眼鏡ですね。

こずえ ブス眼鏡を掛けているかぎり、人はブスをやめられない。なぜならば自分の欠点に固執しちゃうから。たとえば目が小さくて悩んでいる人が整形するとします。でもいくら目を大きくしても、そこだけを見て客観視できていないから満足できない。自分のコンプレックスに虫眼鏡を当てて、そればっかり拡大してしまう感覚です。

 私の場合は“毛穴”でした。ブスをやめるのに一番必要なのは「客観性」なんです。ブスは主観で自分を見る、そこを変えないと永遠にブスのままです。