「“まいんちゃん”と呼ばれるのは嬉しいけれど…」

 福原は、情報番組『あさイチ』(NHK総合)に出演した際、“まいんちゃん”と呼ばれることは嬉しいとした上で「でももっとまいんのように、色々な役名で呼ばれるように頑張りたいなとは思っています」と語っており、その言葉どおり、常に目の前の役と向き合い続けてきた。

『ゆるキャン△』(テレビ東京系)シリーズでは、週末になるとバイクに乗り、ソロキャンプに出かけるクールな女子高生・志摩リンを好演。パブリックイメージとは対極ながら想像以上にハマっており、原作漫画のファンからの評価も高い。

『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系)で演じたストーカー気質の彼女役も印象深く、キュートな笑顔の裏に見える不穏なオーラがインパクト大だった。

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 そして、福原の新たな代表作となったのが、山下智久主演の『正直不動産』(NHK総合)シリーズだ。福原が演じる月下咲良は、山下扮する嘘のつけない不動産営業マンのバディ的な存在。

福原遥 公式Instagramより

 目先の利益より顧客を第一優先にするため、なかなか成績が振るわないながらも軸はブレず、その誠実さで徐々に信頼を勝ち取っていく若手社員の成長譚をフレッシュな演技で見せてくれた。

 福原が演じるヒロインたちは、ただかわいいだけじゃない。NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』で演じた岩倉舞は、周囲の反対を押し切ってパイロットになる夢を諦め、亡き父が経営していた工場再建に奮闘。

『18/40~ふたりなら夢も恋も~』(TBS系)で演じた仲川有栖も大学生で妊娠し、出産とキュレーターの夢を両立させようとするなど、どのヒロインも頑固なところがある。

 おっとりとした雰囲気だが随所に覗く芯の強さ。それこそが福原の持ち味であり、応援したくなる所以なのではないだろうか。

 その芯の強さは、時に狂気に転じることもある。