現在放送中のNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』で、小芝風花に続く2番目のヒロインを担っているのが、花魁・誰袖を演じる福原遥だ。

 “蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)との悲恋の末に吉原を去った瀬川(小芝風花)と入れ替わるように登場したのは第17回。幼い頃から一途に恋心を寄せる蔦重に背後から抱きつき、ふーっと耳に息を吹きかける。

 そのイタズラな笑顔に、福原が“まいんちゃん”だった頃の面影があった。

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大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』公式Instagramより

大人のハートも撃ち抜いた“まいんちゃん”

 小学校1年生で芸能界入りを果たし、2009年から4年にわたってNHK Eテレの『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』に出演。同番組は1990年代に人気を博した『ひとりでできるもん!』の系譜を継ぐ子供向け料理番組で、主人公・柊まいんがクッキンアイドルとして成長していく姿を描いた。

 福原は実写パートとアニメパートの両方でまいんを演じたほか、歌とダンスにも挑戦。その10代とは思えぬ芸達者ぶりと完成されたルックスは、同世代の子供たちや親世代はもちろんのこと、ターゲット外の層の間でも評判になるほど。まさに“国民の妹”的な存在として愛されていた。

 番組卒業後は本格的に俳優業をスタートさせるとともに、ローティーン向けファッション誌『ピチレモン』(学研プラス)の専属モデルに。アニメ『キラキラ☆プリキュアアラモード』(テレビ朝日系)や『かぐや様は告らせたい』(MBS)で声優を務め、アニメやドラマのテーマソングも歌うなど、幅広いフィールドでの活躍は“まいんちゃん”の経験が下地になっているに違いない。

 一方で、子役の頃に一世を風靡すると、大人になっても当時のイメージが抜けずに仕事が激減してしまうケースもある。しかし、福原の場合は果敢な姿勢でさまざまな役に挑み、イメージを更新し続けてきた印象だ。

 なかでも多くの人に衝撃を与えたのが、『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ系)での“ガチ泣き”演技ではないだろうか。