「大会直前は空腹で頭が回らず、スタッフさん達が食事しているなか、1人コーヒーだけをすすって我慢するのもしんどかったですね」

 39歳のときに筋トレを始めて、現在は「ムキムキの体」を手に入れたのがお笑いコンビ・アルミカンのボケを担当するマッチョ赤阪さん(41歳)。鍛える前は、ビキニに贅肉が乗るほどだらしなかった体はなぜ変化したのか? インタビュー前編では、彼女が筋トレにハマった理由をお届けする。(全2回の1回目/後編を読む)

だらしない体→超ムキムキになったマッチョ赤阪さん。いったい彼女に何が? ©志水隆/文藝春秋

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39年間モテなかった女芸人が、筋肉に救いを求めた理由

――ボディビルを始めたきっかけは何だったのでしょうか。

マッチョ赤阪 私が38歳のとき、相方のさおりんが結婚したんです。相方は私より5歳年下で、可愛くて、神戸大学卒の才色兼備。どこにいっても相方だけがチヤホヤされるのが当たり前で、ずっと「格差コンビ」と言われてきました。そんな相方がパイロットと結婚して、もう悔しくて(笑)。この気持ちをどこにぶつければいいのかわからなくなってしまったんです。

 そんなとき、お世話になっている放送作家さんが「お前、ムキムキになったら面白いんちゃう?」と、筋トレを勧めてくれました。正直「嫌やな」と思いましたけど、鬱屈した気持ちを振り払いたくて、挑戦することにしました。

 最初はYouTubeを見ながら筋トレしていましたが成果が出ず、スタッフさんに紹介してもらったジムに通うことにしました。「ジャングルジムスポーツ」という、関西では厳しくて有名なジムで、いつも地獄のような叫び声が響いているんです。お笑い芸人で、ボディビルダーとしても活躍されているミルクボーイの駒場さんもトレーナーをされていました。

 ジムでは週3回、下半身、胸、背中と、1日ずつ違う部位を鍛えました。筋肉に乳酸が溜まり、痛くて動けなくなるまで追い込むトレーニングが本当に過酷でした。

パンツにお腹が乗っていた頃の彼女(写真:本人インスタグラムより)

――辛くても続けられたのは、なぜだったのですか?

マッチョ赤阪 ジムの会長に、「筋トレしたらモテるぞ」と言われたんです。ジムは“出会いの場”でもあるし、筋肉女子は圧倒的に少ないから有利だと。39年間モテなかった私には、それが何よりの励みになりました。

 さらに、149cmという身長も「筋トレ向き」だと言われました。背が低いぶん、少し筋肉がつくだけでも立体感が出やすいそうです。コンプレックスだった肩幅の広さも、筋肉が目立ちやすいから武器になるんだと。「血管が出やすいタイプだから、肉体のバキバキ感が出やすくていい」など、ジムで褒められるたびに、どんどんその気になっていきました。