LINEに「好きですよ」と送ったら思わせぶりな返事が…
――そんな状態から、どのように交際へと発展したのでしょうか?
めぐ その後しばらく会っていなかったんですが、あるときアパレルのイベントで偶然再会したんです。「今ここで誘わなかったら後悔する」と思って、「今度2人で食事に行きませんか?」と直接声をかけました。日程もすんなり決まったので、ハズムさんが好きそうなおしゃれなお店を予約して。
ハズム 僕もまったく何も思っていなかったわけじゃなくて、めぐさんのことをもっと知りたいと思っていたので、会うことにしました。初めて2人きりで会ったんですが、会話がすごく盛り上がったんですよ。話し足りなくて、2軒目にも行きました。
めぐ 「将来どんなことがしたいの?」「どんな洋服を作りたい?」とか、いろいろ聞いて。「私と仲良くしていたら協力できることもあるよ」って、さりげなく自己アピールしてました(笑)。
それからは、よく2人で会うようになったんですが、あるとき急にLINEの雰囲気が冷たくなって。「めぐさんって僕のことどう思ってるんですか?」ってメッセージが来たんです。
――それはドキドキしますね。
めぐ 「え、なにこれ……もしかして脈あり?」とか浮かれて、「私は好きですよ。ハズムさんはどうなんですか?」って返したら、「仲良くしてくれる年上のお姉さんって感じですかね」って言われて。「え、どういうこと? 思わせぶり?」って(笑)。
ハズム いや、そういうつもりじゃなかったんです。めぐさんが何度も誘ってくれていたから「もしかして僕のこと気になってるのかな?」と思っていて、気持ちを確かめたくて送ったんです。
でも、いざ「好き」と言われたとき、正直覚悟ができていなくて。僕は当時23歳で年齢差もあるし、周りからも「やめといたほうがいいよ」って言われていたので。
それに、めぐさんには小学生の娘さんもいる。そんな中で中途半端な気持ちでは付き合えないと思って、期待を持たせないようにああいう言い方をしたんですが……逆に失礼になっちゃいましたね。
――その言葉を聞いたとき、めぐさんはどう感じましたか?
めぐ もちろん悲しかったです。でも私は一度結婚して子どももいるし、「付き合う」とか「結婚」とか、そこまで真剣に考えていたわけではなくて。年齢差もあるし、「推し活」みたいな感覚で楽しく会っていただけだったので、「まあ、そうだよね」って受け止めました。
でもそのLINEのあと、今度はハズムさんの方からデートに誘ってくれるようになって。
ハズム 気になっていた気持ちは変わらなかったので、ちゃんと向き合いたいなと思いました。会うたびに、めぐさんのことがどんどん好きになっていって、「やっぱりちゃんと付き合いたい」と思ったので、自分の気持ちを素直に伝えました。
めぐ 「付き合いたい」って言われたときは、本当にびっくりしましたし、泣いちゃいました。まさかそんなふうに真剣に考えてくれていたなんて思っていなかったので本当に嬉しかったです。
――ハズムさんは、当初不安だったという年齢差をどう乗り越えたのでしょうか?
ハズム 周りからはいろいろ言われましたけど、自分自身では年齢差はほとんど気にしていなかったんです。話していても、年齢のギャップを感じることはなかったですし、将来やりたいことも近かった。もちろん、娘さんの存在はちゃんと考えなきゃとは思っていましたけど。でもそれも含めて、「一緒に生きていく覚悟」が自然とできたという感じでした。
写真=細田忠/文藝春秋

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