「舞妓さんになりたい!」
中学卒業後、15歳で親元を離れて京都の花街に飛び込んだ松原彩さん(26)。舞妓から芸妓になるも、22歳で引退。その後は学び直しのため、東京の定時制高校に入学したという。
ここでは、6月2日に上梓したコミックエッセイ『舞妓をやめたそのあとで』(KADOKAWA)の作者でもある松原さんに、「舞妓さん」としての体験を詳しく伺った。一般的には知られていない、舞妓さんの意外な生活とは……。(全2回の1回目/続きを読む)
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中2の時に「舞妓さんになりたい」両親の反応は…
――松原さんがご両親に「舞妓さんになりたい」と打ち明けたのは、中学2年生の春だったと作中でも描かれています。当時の年齢を考えると、かなり大きな決断だったと思いますが、迷いはなかったのでしょうか。
松原彩さん(以下、松原) 「舞妓さん」というと、どうしても変わった進路なので大きな決断をしたと思われがちなのですが、私自身は小学生の頃から「舞妓さんになりたい!」と思っていたので、当時はそんなに一大決心をしたとは感じていませんでした。今思うと中々に勇気ある決断だったと思います。
――親元を離れることにもなりますし、ご両親は心配しませんでしたか。
松原 いざ本気で「舞妓さんになりたい」と両親に話した時は、「本気だったの!?」と驚かれましたが、本気度を自分なりに一生懸命伝えたことで両親も応援してくれました。昔からやりたいことをやらせてくれる両親でしたので、猛反対されるかもという心配はありませんでした。
小学生の頃から「将来の夢は舞妓さん」と公言していたので、仲の良い友人も応援してくれましたが、中には舞妓さんをよく理解していない同級生から「松原って花魁になんの?」などと言われたこともありました。でも、自分も含めて中学生から見た舞妓さんの認知度はそんなに高くないだろうと思ってはいたので、周囲の反応は予想外ではありませんでした。